...その癖触覚(しよくかく)には触れると云ふ...
芥川龍之介 「近頃の幽霊」
...肴を入れた器と器の触れる響がしたが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「汪士秀」
...樹の葉に触れる微風の...
田中貢太郎 「魔王物語」
...一度実際に触れると...
田山録弥 「大阪で」
...バルコンの下から忍びよるド・サヴィニャク伯爵の梯子(はしご)が石欄に触れる「ティック」の音を置き換えてある...
寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
...そしてちょっと鋏に触れるとそれで満足したようにのそのそ向こうへ行って植え込みの八つ手の下で蝶(ちょう)をねらったり...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...之は外でもない「交通道徳」意識の末端に触れるものだからである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...霙や霰のことについては後に改めて触れることとする...
中谷宇吉郎 「雪」
...手がどこか冷たい所に触れる...
夏目漱石 「永日小品」
...もう少しで美禰子の手に自分の手が触れる所で...
夏目漱石 「三四郎」
...其処に智識が介在して人生に触れると云ふ意味に於て表現が真に...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...情感の線に触れる実在(レアール)を求めているのに...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...二匹の蝶は、なんの警戒心もなく、無我の境で戯れているうち、ときどき、網の線に触れる...
火野葦平 「花と龍」
...眼に触れる生物が悉く厭はしい――彼は...
牧野信一 「秋晴れの日」
...とても頬などに指先だつて触れることは出来ない――そんなことを三木は突差の間に思ふと...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...――○――触れるべき点に大体くまなくふれたであろうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼はただこれに触れるものの四肢を痺(しび)れさせるばかりではない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...触れるやいな、火花を散らす女の妬心(としん)を眼(ま)のあたりに見て、かれの臆病な悪魔的な考えは萎(な)え惧(おそ)れた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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