例文・使い方一覧でみる「触る」の意味
スポンサーリンク...が、人の香を慕ったか、そばえて幽霊を噛（か）みちらし、まつわり振った、そのままで、裾を曳（ひ）いて、ずるずると寄って来るのに、はらはらと、慌（あわただ）しく踵（きびす）を返すと、坂を落ち下りるほどの間（ま）さえなく、帯腰へ疾（と）く附着（くッつ）いて、ぶるりと触るは、髪か、顔か... 
泉鏡花 「怨霊借用」
...少しも彼女の霊魂に触るゝことなくして回転するのである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...手もって触るるべからざるをもって...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...彼がその白い尾に触るか触らないうちに...
海野十三 「地球盗難」
...鬢（びん）の毛が触るとその痒さがひとしおであるのに悩んだ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...己惚れるだけでも癪に触る...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...触るるものに紅（くれない）の血が濁染（にじ）むかと疑われた生々しい唇（くちびる）と...
谷崎潤一郎 「秘密」
...（スラの顔の皮膚を触る）どうぞ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「ＲＵＲ――ロッサム世界ロボット製作所」
...秋の本当の気魄に触るる時...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...左右の家は触（さわ）れば触る事が出来る...
夏目漱石 「坑夫」
...「触るな...
フレッド・Ｍ・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...人は眼の色を変えて寄ると触るとドロシイ殺しの噂ばかりしているが...
牧逸馬 「双面獣」
...何やらともなく癪に触る入道雲がむく／＼と胸先に込みあげて来て...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...それで君、昨日僕のところへ小言の手紙が来て、酒を止めるかよすかしろって言うんだ、癪に触るから、昨夜村の茶屋で酔っぱらって、事務所へ聞えるように歌をうたってやった...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...その足に触るなと申すに」――おけがは足でございますか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...俺のからだに触ると...
吉川英治 「親鸞」
...小さい巫女（みこ）は指さして、「あそこへ、盗人が、刀と風呂敷を置いてゆきました」「荒木田様へお届けしておいたらよいでしょう」「だけど、みんな触るのを、怖がっているから、持って行かれません」「まア、たいした騒ぎようですね...
吉川英治 「宮本武蔵」
...触るたびに上から落ちてくる豚に河豚は頭を挟まれてしまうのである...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
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