...鶸(ひわ)の嘴(くち)がちょっと触っても微(かすか)な菫色(すみれいろ)の痣(あざ)になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...誰も死体に手を触れぬ様...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...馬鹿に肌触りのよい人は...
谷崎潤一郎 「細雪」
...また付け合わせに関して「浅きより深きに入り深きより浅きにもどるべし」と言われているのもやはり同じ問題に触れるところがあるように思われるのである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...畳の手触りまでが...
徳田秋声 「爛」
...なるたけ人の眼に触れるようなところへと思って投げ出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの人に触れ得ぬ悶えをまやかす事が出来る...
長與善郎 「青銅の基督」
...すると偶然下(しも)のようなのが彼の眼に触れた...
夏目漱石 「明暗」
...彼はあの夜のことに触れたくないようすで始終そっぽを向いていたが...
久生十蘭 「黒い手帳」
...「象の卵?……おっと、触った、触った...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...接触すると答えられる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...触れて見ると、夥しい悪臭を放つ鳥の糞なのだ...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...ゼーロンの吐息と首の重量との触感が私の肩先から頬へかけて...
牧野信一 「夜見の巻」
...浪路の目つきに触れると...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...蛇咬を療ずる呪を心得た術士は蛇と同色の物を食わず産蓐(さんじょく)と経行中の女人に触れると呪が利かなくなる...
南方熊楠 「十二支考」
...そこで、彼が持ってきた魚鳥をさかなに、杯を用意させ、「諸将、兵士の端々にまで、こよいは酒をやって、喪(も)は一日かぎりと、触れ直せ」と、その夜は、精進落しの酒宴を開き、彼も大いに酔ったということである...
吉川英治 「私本太平記」
...たまらない触感と重みである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...永遠に不滅なものの硬さと冷たさとを持ちながらしかも触るれば暖かで握りしめれば弾力のありそうな...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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