...遠くヒマラヤの雪巓を観望する丘の上に燃ゆるが如き壮志を包んだ遺骸を赤道直下の熱風に吹かれつつ荼毘に委したは誠に一代のヒーローに似合わしい終焉(しゅうえん)であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そのうちに本家の老舗(しにせ)の日本人がこのアメリカ語に翻訳された「俳諧」の逆輸入をいかなる形式においてしおおせるであろうかを観望するのは...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...そしてあたりの光景を観望すると...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...淀川十里の間あし茅(かや)の深き処、浅瀬の船底石に摩(す)る処、深淵の蒼みたるところ、堤に柳ありて直曲なる処、野渡(やと)のせばき処、遠き山見るところ、近き村ある処、彼此観望する間、未後大坂城を前に望て、遂に過所町(くわしよまち)の河岸に著く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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