...よ、糸的(こう)、いい名だなあ、従兄弟(いとこ)に聞えて、親身のようだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...小牛洗いはそこそこにさすが親身の挨拶は無造作なところに...
伊藤左千夫 「姪子」
...親身の父親が死んだのを悲しむことが出来ない...
江戸川乱歩 「疑惑」
...雪子のためを思う親身の情愛の外に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...親身の兄も及ばぬくらいに二人の世話を焼いてくれているのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それから彼女がなにか彼に呟いて、思い出にわなわなと戦(おのの)くと、彼は女の髪を撫でてじっとその顔に見入りながら、この不幸な罪の女こそ自分の唯一の隣人、親身の、かけがえのない人間であることを覚った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...親身の姉と弟の気分で...
中里介山 「大菩薩峠」
...今でも親身の弟のように思えてならなかったのです...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...わしの祖父(ぢぢい)の親身の叔母が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...あれを親身の息子のやうにしとつたでねえか!』などと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...親身の娘といふ鎖が切れて...
水野仙子 「四十餘日」
...親身の娘の病気となると...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...親身の者のようにじっと添っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私が親身の力をお貸ししますよ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こちらはかえって親身の者のほかは...
柳田国男 「雪国の春」
...お二人とも私を親身の妹のように可愛がって下さいました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...親身の間柄でも珍らしいくらい睦まじいので...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...親身の弟とも思うているのに……」病室に玄徳を招いて...
吉川英治 「三国志」
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