...よ、糸的(こう)、いい名だなあ、従兄弟(いとこ)に聞えて、親身のようだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...雪子のためを思う親身の情愛の外に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...親身の兄も及ばぬくらいに二人の世話を焼いてくれているのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...親身の娘のように...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...親身の母親だって仲裁人に入ってもらうべきものでもなし...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...もう他人でないような親身の思いに迫られて来るのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...親身のやうに思つて居る捕物の名人錢形の平次に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この間(かん)に母の亡くなつた知らせを受け取つたが、母の親身の妹で、彼の幼年時代に乾梨(ほしなし)や、非常に美味しい薬味麺麭などを持つて来たり、わざわざガデャーチへ送つて呉れたりまでしたので僅かに憶えてゐる叔母(この叔母は、母と仲違ひをしてゐたので、その後、イワン・フョードロッチは絶えて久しく会はなかつたが)――この叔母が、もちまへの親切気から、彼の小さい持村の管理を引き受けたといふことを、事の序でに手紙で彼の許へいつてよこした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...わしの祖父(ぢぢい)の親身の叔母が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...親身の者のようにじっと添っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こちらはかえって親身の者のほかは...
柳田国男 「雪国の春」
...まるで親身の弟のように熱心で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...親身の間柄でも珍らしいくらい睦まじいので...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...狭山は妾(わたくし)のたった一人の親身の叔父でございます...
夢野久作 「暗黒公使」
...只今では親身の者と申しましては娘と私と二人切りで御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...さながら親身の弟でも迎えてくれるようだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...親身の兄のように思っていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...親身の親でもなければ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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