...苟も自分の親しみを感ずる程の自然ならば必ず自分と同じ心に動いて呉れる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...通り慣れたこの界隈(かいわい)の空気は特別な親しみをもって葉子の皮膚をなでた...
有島武郎 「或る女」
...僕の 心に 親しみが あつて...
岩野泡鳴 「札幌の印象」
...親しみ深く感じられた日本家屋の菓子店が...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...殺人者に友よ! と呼びかけ得るような親しみを感じたこともなかったのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...康平さんには親しみがもてないのです...
豊島与志雄 「白い朝」
...ニヤリニヤリと脂下(やにさが)る好人物としての入道には幾分の親しみもあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は老人に対して親しみのない男であった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...大人さえあまり外国の服装に親しみのない古い時分の事なので...
夏目漱石 「道草」
...北國の旅人はその自然に對して何等の親しみも温みも感じることが出來ない...
「修道院の秋」
...彼にも淡い親しみと憐憫(れんびん)が湧(わ)いてくるようなのだった...
原民喜 「死のなかの風景」
...あのときはもっと親しみがあるように思えたぞ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...何となく親しみの出て来た事は否めなかった...
水上滝太郎 「遺産」
...私の親しみがたい部屋を逃れて私はそこで行衛の知れなくなつた父のことや死んだ妹のことや嘘つきだつた私の恋人のことを忘れよう...
三好達治 「測量船拾遺」
...あるいは播州の人には親しみがないかもしれないが...
柳田国男 「故郷七十年」
...吾人に親しみがあり...
吉川英治 「折々の記」
...上座(かみざ)の茵(しとね)は、上下なしの意味か、親しみの心か、二つならべて敷いてある...
吉川英治 「私本太平記」
...またそれがゆえに抱いていられる懐かしみや親しみを遽(にわか)に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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