...それは覚束ない事だ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...最初の一字の甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど...
大杉栄 「獄中記」
...一団体内の各個体に利他の心がなかったならば生存は全く覚束ない...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...実現は覚束ないようであるが...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...将来の大発展は覚束ないのみならず...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...そして震えながら覚束ない声で...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...真夏の澄み渡った空気だの照り輝く太陽だのがいくら骨を折って発散しようとしてもとても覚束ないような陽気な空気が戸外に棚引いていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...それから前垂(まえだれ)のようなものを着けていたような気もするがこれはいっそう覚束ない...
寺田寅彦 「高浜さんと私」
...すべてが覚束ないのだ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...ここに落着いて事業の進行は覚束ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...覚束ない音締(ねじめ)に今日まで通して来たが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その秘密を探ろうとした古だんすが覚束ない行燈の灯りの前に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうやら覚束ないようすになってきた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いつ日本へ帰れるかそれさえ覚束ない...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...気が弱くッちゃア主義の実行は到底覚束ないと仰(おっ)しゃッたのは何人(どなた)だッけ」ト(しん)の首を斜(ななめ)に傾(か)しげて嫣然(えんぜん)片頬(かたほ)に含んだお勢の微笑に釣(つ)られて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...この筆力が覚束ないと思われたからだ...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...これはいささか覚束ない...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...覚束ない旅の伴(とも)をすることになったと話したのである...
森鴎外 「山椒大夫」
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