...私の覚束ない筆の写生や模写と並んで...
上村松園 「写生帖の思ひ出」
...かえって国の維持が覚束ないことになると憂えるのだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...よたよたして覚束ない動作である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...誰もみな正造の生還は覚束ないと思いこんでいる愁い顔だった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...最初の一字の甘しとしただけがいささか覚束ないように思うけれど...
大杉栄 「獄中記」
...品質最良なるものを製して売るという方針でなければ成功は覚束ないのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...これでは行乞の旅も覚束ない...
種田山頭火 「其中日記」
...阪の中程に街燈がただ一つ覚束ない光に辺りを照らしている...
寺田寅彦 「やもり物語」
...夕方は覚束ない火が小屋にともれ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「どうも覚束ないです...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...それとて覚束ないものではあるまいか...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...私は覚束ないフランス語で尋ねた...
豊島与志雄 「帰京記」
...田山白雲も覚束ない手つきで...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分ながら甚だ覚束ないとは思つた...
夏目漱石 「それから」
...いかなる雄図も早や覚束ないというわけで...
久生十蘭 「魔都」
...気が弱くッちゃア主義の実行は到底覚束ないと仰(おっ)しゃッたのは何人(どなた)だッけ」ト(しん)の首を斜(ななめ)に傾(か)しげて嫣然(えんぜん)片頬(かたほ)に含んだお勢の微笑に釣(つ)られて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...いくらでたらめの唐人髷だって鬢付なしでは覚束ない...
正岡容 「寄席」
...最初は覚束ない薄明りの中で...
渡辺温 「絵姿」
便利!手書き漢字入力検索