...惜しいかな今の世の中では実行が到底覚束ない...
丘浅次郎 「人類の将来」
...私は覚束ないこの国の言葉では...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...その絵は覚束ない弱い光りを受け留めるための一つの奥床しい「面」に過ぎないのであって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...覚束ないもんです』こんなことをその鋳物師は言つてゐた...
田山録弥 「百日紅」
...樹の幹や枝の弾性は果してその重量に堪え得るや否や覚束ない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...すべてが覚束ないのだ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...水棹を捨てて櫂を取った青年の手元は覚束ないものであった...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...君を世に出して上げることが覚束ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「自分の機分ではなかなか生死を離れて成仏することは覚束ない...
中里介山 「法然行伝」
...食うことすら覚束ないので...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...私の力では不幸の淵から這いあがることは覚束ないように思うから...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...どうも覚束ない話だし...
久生十蘭 「魔都」
...覚束ない英語でバイロンを味うよりは...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...これはいささか覚束ない...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...いくらでたらめの唐人髷だって鬢付なしでは覚束ない...
正岡容 「寄席」
...まだここから花巻までは七里、覚束ない、薄ら寒い心持ちが胸に映える...
水野葉舟 「黄昏」
...覚束ない旅の伴(とも)をすることになったと話したのである...
森鴎外 「山椒大夫」
...自筆の覚束ない英語で...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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