...読み来り読み去つて感興反つて尠(すくな)からざるを覚ゆ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...一方のかこみを打破った奮闘の勇気に快味を覚ゆる時期である...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...やや空腹(ものほし)う覚ゆるぞ...
巌谷小波 「こがね丸」
...事古りにたれど白居易の「二千里外故人心」の句よくもいひ出でたりと覚ゆ...
上田敏 「月」
...」「気の欝したる時は外出せば少しは紛るる事もあるべしと思へどもわざと引籠りて求めて煩悶するがかへつて心地よきやうにも覚ゆ...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...まったく軌を一にせるを覚ゆるのであります...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...そしてしばしば論理上にもその人に対する尊敬を欠かれると漠然と不快の念を覚ゆることがある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そは明治三十四年なりしと覚ゆ松下某といふ人やまと新聞社を買取り桜痴居士(おうちこじ)を主筆に迎へしよりその高弟榎本破笠(えのもとはりゅう)従つて入社しおのれもまた驥尾(きび)に附しけるなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...国外の安全に愉快を覚ゆるの精神に乏しき者なり...
福沢諭吉 「教育の目的」
...転(うた)た切なるを覚ゆ...
福田英子 「妾の半生涯」
...何よりも親しみを覚ゆる...
牧野信一 「海浜日誌」
...撫子や人には見えぬ笠のうら御嵩(みたけ)を行き越えて松繩手に出づれば数日の旅の労れ発して歩行もものうげに覚ゆ...
正岡子規 「かけはしの記」
...「すゞし」といふ語は「すが/\し」のつゞまりたるにやと覚ゆれど...
正岡子規 「すゞし」
...しかして蕪村はこの材料を古物語等より取りしと覚ゆ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...古今上下東西の文学など能く比較して御覧可被成(なさるべく)くだらぬ歌書許り見て居つては容易に自己の謎を醒まし難く見る所狭ければ自分の汽車の動くのを知らで隣の汽車が動くやうに覚ゆる者に御座候...
正岡子規 「再び歌よみに与ふる書」
...駒場(こまば)農学校へも伝わりたりと覚ゆ...
正岡子規 「ベースボール」
...先づ文字を精出(せいだ)して覚ゆるがよし...
森鴎外 「渋江抽斎」
...禁厭(まじ)の境にわれ等入りぬと覚ゆ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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