...読み来り読み去つて感興反つて尠(すくな)からざるを覚ゆ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...病聊(いささ)か快(こころよ)きを覚ゆ...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...いはんや我国の如き極めて史学の幼稚なるに当ては材料の捜索に数層の困難を覚ゆるにおいてをや...
津田左右吉 「史論の流行」
...すべて先の母の名残(なごり)と覚ゆるをばさながら打ち消すように片端より改めぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...甚だ心細さを覚ゆるのである...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...多少の恐れと嫌悪(けんお)とを心の底に覚ゆるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嫌悪の念を覚ゆるばかりです...
豊島与志雄 「自由人」
...たしか明治三十六年の春なりしと覚ゆ...
永井荷風 「書かでもの記」
...島崎藤村子(しまざきとうそんし)が古き美文の中(うち)にも葡萄棚のこと記せしものありしやに覚ゆ...
永井荷風 「葡萄棚」
...車に紗の幌をかけ初めしは大正改元の頃帝国劇場女優の抱車なぞより流行出せしかと覚ゆ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...満庭の樹影青苔(せいたい)の上によこたはりて清夏の逸興遽(にはか)に来(きた)るを覚ゆる時...
永井荷風 「来青花」
...いとせめて燃ゆるがままに燃えしめよ斯くぞ覚ゆる暮れてゆく春春はいま終らうとしてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...常磐木の冬に立つなる寂しさを覚ゆる人と知られずもがな風霜に会つてその操守を変へぬ常磐木の心は君子の心であり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...貧血症の発作ではあるまいかと思はれるやうに寒さを覚ゆるのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...谷に臨(のぞ)めるかたばかりの茶屋に腰掛くれば秋に枯れたる婆様の挨拶(あいさつ)何となくものさびて面白く覚ゆ...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...これ概括的標準に照(てら)して自(おのずか)ら然るを覚ゆ...
正岡子規 「俳諧大要」
...秋水冷やかなるを覚ゆ...
吉川英治 「上杉謙信」
...当時(いま)の心すぐれたりと覚ゆる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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