...葉子は震えを覚えるばかりに激昂(げきこう)した神経を両手に集めて...
有島武郎 「或る女」
...「俺には一向覚えがないでな...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...嬉しさに覚えず綻(ほころ)びかゝる口もとを強く圧(へ)し曲げるやうにして気難(きむつか)しい顔を拵(こしら)へた...
薄田泣菫 「茶話」
...何かで見覚えのある名だと言う...
高見順 「いやな感じ」
...そこには一つの瓶(かめ)を横に倒した処に見覚えのあるお召(めし)羽織(はおり)を着た女の腐爛(ふらん)した死体が横たわっていた...
田中貢太郎 「藍瓶」
...主人は己(じぶん)で起(た)って電話口へ出てみると聞き覚えのある声で...
田中貢太郎 「長崎の電話」
...血のむず痒(がゆ)いようななつかしさを覚えた...
徳田秋声 「黴」
...胸の底が擽ったいような気持を覚えた...
豊島与志雄 「同胞」
...精神的な漠然とした苦悶を覚える...
豊島与志雄 「反抗」
...時に触れ物に応じて唯何がなしに物の哀れを覚えしむる単調なるメロデーに過ぎず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その手を覚え込もうと心がけているのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...呼び立てる人の名もどうやら聞覚えがないではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...机に向つてゐるのが産院で見覚えの大津しもであつた...
林芙美子 「浮雲」
...私の覚えてる噺をなんとか講釈らしくごまかしましょうか」「そのことそのこと...
正岡容 「寄席」
...罪を作ったという自責も覚えて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...脱いでおいた覚えがある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...むしろ飽気(あっけ)なさを覚えながら...
蘭郁二郎 「植物人間」
...腕に覚えのある人間の真似(まね)をしているだけさ...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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