...煙草(たばこ)を吸ったりしている間に(葉子は船の中で煙草を吸う事を覚えてしまったのだった)倉地は手早く顔を洗って部屋(へや)に帰って来た...
有島武郎 「或る女」
...突然栄介はするどい戦慄を覚えた...
梅崎春生 「狂い凧」
...三人とも夜中にいなくなったので覚えているそうだ...
海野十三 「地獄街道」
...精神的な漠然とした苦悶を覚える...
豊島与志雄 「反抗」
...身に覚えがない、何も知らない、と自分で自分をおさえつけていながら、それがおさえきれないで泣いてしまう心持が、どうしてもわかりません...
中里介山 「大菩薩峠」
...まるで苦痛を覚えない様になってしまった...
夏目漱石 「それから」
...グラグラするほど腹の立ったことを覚えている...
野村胡堂 「胡堂百話」
...何も覚えていないのです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...見覚えのあるのは谷川の流れだけであった...
本庄陸男 「石狩川」
...甘く胸を塞がれる肉感を覚えたのである...
牧野信一 「環魚洞風景」
...彼の延若は「女」だと高言してゐたのを覚えてゐる...
牧野信一 「松竹座を見て(延若のこと)」
...霞荘といふところに寄宿しながら全く慎ましい日夕をおくり迎へて別段不足も覚えないのであるが...
牧野信一 「自烈亭」
...自身に怖れを覚えた...
牧野信一 「南風譜」
...あとは父圓太郎といっしょにでている時分の聞き覚えのものに過ぎなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...〔『日本』明治三十一年二月二十一日〕五たび歌よみに与ふる書心あてに見し白雲は麓(ふもと)にて思はぬ空に晴るる不尽(ふじ)の嶺(ね)というは春海(はるみ)のなりしやに覚え候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...雪之丞は堪えがたいいまわしさを覚えて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いぶかり以上なむかつきをすら覚えて...
吉川英治 「私本太平記」
...煮加減(にかげん)もよいらしい」「もうおらの名を覚えたんだね...
吉川英治 「新書太閤記」
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