...葉子はただただ胸が切(せつ)なくなるのを覚えた...
有島武郎 「或る女」
...この雄弁家は今日まで自分の方でも相手の皺くちやな顔をよく覚えてゐるやうな調子で話しかけた...
薄田泣菫 「茶話」
...水道会社の名前を稀にしか覚えていることはなく...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...更に能く凝視するに馬匹(ばひつ)をつなぐ「ワク」あるを覚えたり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...全体に痛みを覚えます...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...心で不貞をした覚えはないのだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...昔の御院殿坂を捜して墓地の中を歩いているうちに鉄道線路へ出たがどもう見覚えがない...
寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」
...敵軍すらもフランスに対する畏敬の念を覚えた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ちょっとばかり腕に覚えのある馬鹿者が...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしたのかむつと山田は怒りを覚えた...
北條民雄 「道化芝居」
...蟻の生活の話など覚えはじめました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...食堂のサイドボード(覚えていらっしゃるでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...危険もこれで去ったという安心を覚えて恢復(かいふく)の曙光(しょこう)も現われたとだれもが思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...だれもその人に羞恥(しゅうち)を覚えさせられぬ者はなく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...器械的に覚えようとするのだと云いたくなる...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...僕も誰かの句が気に入って覚えていることはあるのです...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...思わぬ明るい気持ちの差し込むのを覚え久しぶり若若しい青年に立ち還って来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...貞はいかにも口惜(くや)しげな眼をじっとすえて「覚えてらっしゃい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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