...東京に住んでゐる僕は未(いま)だ嘗(かつ)て愛郷心なるものに同情を感じた覚えはない...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...これは困ったことを覚えたものであると思った...
上村松園 「孟母断機」
...前後はしかと覚えて居らぬが...
太宰治 「もの思う葦」
...三造はその中古(ちゅうぶる)になった袴の襞(ひだ)の具合に見覚えがあった...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...――またいっそう彼女が興味を覚えるのは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は我知らず安心の情を覚えた...
豊島与志雄 「二つの途」
...小学校へ赴(おもむ)く頃には海軍服に半ズボンはきたる事は家にありし写真にて覚えたり...
永井荷風 「洋服論」
...初めて写真を研究に使うことを覚えた...
中谷宇吉郎 「写真と暮した三十年」
...覚えているのだか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ゆらゆらと浮游してゐる眠気には薄ら甘い陶酔を覚えた...
牧野信一 「F村での春」
...覚えてゐるだらう...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...少しさむけを覚えて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...今日の世の中や芸術のありように対する新たな目ざめを覚えさせて行く...
宮本百合子 「現代の心をこめて」
...昔の朱雀(すざく)院の行幸(みゆき)に青海波が絶妙の技であったのを覚えている人たちは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...たしかに予にも覚えがある...
吉川英治 「剣難女難」
...そしてどこをどう歩いたやらの覚えもなかったが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...かなり大きな黒子(ほくろ)があったように覚えております」「襟あしの奥に」「へい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...ぼく自身にはタコの前に匍匐(ほふく)した覚えは残ってない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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