...拳銃(ピストル)の弾丸(たま)の続くかぎり覘いうった...
海野十三 「恐怖の口笛」
...覘(ねら)いが狂ったのかどうかは分らないが...
海野十三 「地球盗難」
...まず割合近くにいる「右足のない梟」を覘うことにし...
海野十三 「流線間諜」
...「吾輩が閥族(ばつぞく)政府に覘(ねら)われ...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...その隙間よりチュウクロス四方眺めて敵陣の中の一人を覘ひ射る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...アートレ,デース其覘...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...撃てねえという限りはねえが」「どのくらい稽古したら覘(ねら)いがつくんだい」何を考えたものか金蔵は...
中里介山 「大菩薩峠」
...打ってみましょう」花壇の隅に伏せられた素焼(すやき)の植木鉢に覘(ねら)いをつけたのでありましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...足軽小者だのいう者が覘(ねら)い寄るというような形勢は更にありませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...覘(ねら)いを定めてポンと下へ投げ落しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...打つ気で覘(ねら)いをつけたんなら...
中里介山 「大菩薩峠」
...内々升屋の身上を覘(ねら)っていた上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...覘(ねら)いをつけて上京して来たとも云うことが出来る...
本庄陸男 「石狩川」
...鯉を覘(ねら)ふ大鳶が両翼を傾けて池の上空に巨大な橢円形を描いてゐる...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...その覘ひどころに於て極めて勝れたものであると同時に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...鉄砲を持って自分を跟(つ)け覘(ねら)っていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「いくらうろたえたって、暗殺者になるほど私は自分を軽蔑(けいべつ)しやあしない、ことに貴方を斬るなんて、うぬ惚(ぼ)れてはいけませんよ、原田さん」甲斐はまた微笑し、では一人減ったわけだな、と云った、「七十郎が私の首を覘わないとすれば有難い、七十郎が覘えば、決して討ち損じはしないだろうからな、しかし、それでも一人減っただけで、ほかに刺客はいくらでもいる、そういう者がほかにいることは、七十郎も知っている筈だ」「どうしてです」「知ってはいないか」と甲斐は穏やかに云った、「知らなければ知らぬでいい、刺客というものには、多くのばあい煽動者がある、なにが真実であるかをみきわめる能力がなくて、血気にはやる人間は少なくない、そういう者はたやすく人に動かされ、すぐ壮烈な気分になって、どんなことでもやってのけるものだ」「私がその、煽動者だというのですか」「どちらかというと、私はあまりうぬ惚れるほうではない」と甲斐が云った、「首を覘われていることも、煽動者の多いことも、私にはたいして関心がない、そんなことよりまえに、侍の奉公というものはつねに命を賭けたものだ、と教えられたときから、私はいつも死と当面して来たし、死のおそろしさを知って来た、あんまり死を考え、死をおそろしいと思い続けたために、いまでは生よりも死のほうに親しさを感じているくらいだ、こんなことを口にするのは初めてだが、おそらく七十郎にはわかるまい、――小野が危篤だと聞いても、やすらかな往生を願うほかに、私にはなんの感慨もなし、また遺言などをことさら重大だとも考えない、それだけだ」そして甲斐は廊下へ出た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...彼は甲斐を跟け覘っていたのだし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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