...と薄気味悪げに後(うしろ)を見返り...
泉鏡花 「活人形」
...職人體の男と女學生とどこかの夫人が別々にじろ/\見返りながら通つて行く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人びとは、誰もかも、その紳士の発散する、強い激しい芳香に打たれて、びっくりしたように立ちどまると、不思議(ふしぎ)そうな顔をして、或はあきれたような顔をして、紳士を見返り、見送った...
大阪圭吉 「香水紳士」
...自分の姿を今更のように見返りました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...尚ほ見返り/\段々登つてゆくに從ひ...
近松秋江 「箱根の山々」
...付添の女中の驚くのを見返りもせず...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...大柄な女はいかほど容貌(きりょう)がよく押し出しが立派でも兼太郎はさして見返りもせず...
永井荷風 「雪解」
...ひとり弁信を残した多景島の方を見返り見返りしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...丁度見返り柳と相対して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兩親は見返りて今更に涕ぐみぬ...
樋口一葉 「うつせみ」
...でもこのもてなしの見返りに何をお望みかな」「水曜日にあなたが手に入れたグラスゴー港の潜水艦設計図ですよ」もう当分ミーファは笑わない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...見返りのご親切……」「もちろん条件は繰り返しません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...見返りは悪党と言わないことですか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...割れるような法廷の動揺の中にレミヤの顔を見返りますと……これは又...
夢野久作 「霊感!」
...それは見返りお綱に違いなかった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...見返りお綱という人には...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...見返りお綱の根性を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...菅笠、割羽織(わりばおり)を着けたひとり、岩のごとく道を塞(ふさ)いで立つかと思うと、威圧のこもった音声(おんじょう)で、「見返りお綱、御用だッ――」と、なんたる不意! 眼に痛いような磨きすました十手を向けた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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