...命の助かるべき見込みはないのだ...
有島武郎 「或る女」
...これらの基礎学科の発達せぬ間はその応用の方面も充分に発達する見込みはない...
丘浅次郎 「教育と迷信」
...私の言うこと私の為すことがわかるようになる見込みはない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...線的のもののように考えるあまりに単純な基礎仮定から出発した言語学ではこの問題は説明される見込みはない...
寺田寅彦 「言葉の不思議」
...そうする事によっていろいろの現代の物理学当面の困難が解決されうる見込みはないものであろうか...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...一朝一夕に一人や二人の力でできうる見込みはない...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...焼灰の中からせせり出す見込みはないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして今日の午後、自分の部屋で、コックさんから貰った一瓶のビールを味わいながら、忠作は、この酒は異人が上下となく好んで飲む酒だが、なんだか苦くって、大味で、日本人には向きそうもない、自分は利酒(ききざけ)ではないが、どうも将来とても日本人が、こんな苦くて大味な酒を、好んで飲むようになれるかなれないか考えものだと思い、それと同様に、異人がまた日本酒の醇なやつを、チビリチビリと飲むというような味が分って来そうにもない、どうも、日本の酒と、異人の酒とは、趣味のドダイが違うから、将来、あっちの酒をこっちへ持って来て売るようにはなれまいし、こっちの酒を向うへ盛んに売り出すようにはなれまい、そうすると、異人を目当ての酒の交易は、まあ当分、見込みはない、なんにしても今時、向うから持って来て、こっちへ売れるのは鉄砲だ、酒と違って、向うの鉄砲だってこっちの人間を殺せる、しかも殺し方が遥かに優れている、鉄砲を持って来て売り込むことは的を外れないが、それだって、日本の鉄砲は向うへ向けて売り物にならないから片交易だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...あとを継ぐ見込みはないし...
野村胡堂 「胡堂百話」
...俺はもう助かる見込みはない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「残念ながら見込みはない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さりとて己れは非力でうち勝つ見込みはない...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...もう此の座も見込みはない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...僕はもうその恩を返へす見込みはない...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...歌のよくなる見込みはないから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まづ再起の見込みはないといふ...
吉川英治 「折々の記」
...それにはまず貴国が盟主としてまっ先に奮い起(た)ってくれなければ成就の見込みはない)などと誌(しる)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...まず御断念がよいとおもう」「見込みはないか」「あっても...
吉川英治 「新書太閤記」
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