...その時(とき)ちらと拝(はい)したわが君(きみ)のはっと愕(おどろ)かれた御面影(おんおもかげ)――それが現世(げんせ)での見納(みおさ)めでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...そうそう私(わたくし)が現世(げんせ)の見納(みおさ)めに若月(わかつき)を庭前(にわさき)へ曳(ひ)かせた時(とき)...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...見納め、まさか、でも、それに似た気持もあるようだ...
太宰治 「新郎」
...今度行ッタラコレガ京都ノ見納メニナルカモ知レン」「又ソンナイヤナコトヲ仰ッシャル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...これがこの世の見納めやないか...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...私は自分の家を見納めに見ておこうと振り返ったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...そして彼は永久の見納めにクリストフをながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この街道筋の見納めになるかも知れぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...これが見納めになるかも知れねえ」「仕方がねえ...
直木三十五 「南国太平記」
...「これ、お梅」藤堂平助は慄(ふる)えていたお梅の襟髪(えりがみ)を取って、「よく見ておけ、これが見納めだ、貴様の可愛ゆい殿御(とのご)の最期(さいご)のざまはこれだ」「どうぞお免(ゆる)し下さい」「しかし美(い)い女だな」「芹沢が迷うだけのものはある」藤堂と沖田とは面(かお)を見合せて、土方と近藤との方に眼を向ける...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛騨の高山も今が一生の見納めじゃなくって...
中里介山 「大菩薩峠」
...これがパリの見納めかと思ふと...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...浄海 松王よ、これが見納め...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...メアリの見納めになったからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...此処も見納めかな...
三好十郎 「好日」
...それがチイ嬢(ちゃん)の顔の見納めだったんで……今度目...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...大講会(だいこうえ)二日(か)目(め)の行事(ぎょうじ)を見納(みおさ)めしたにちがいない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そしてみな顔は、多門の上なる主人のすがたを仰いで、今を見納めぞと、しばしは同じ声のみを繰り返していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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