...その時(とき)ちらと拝(はい)したわが君(きみ)のはっと愕(おどろ)かれた御面影(おんおもかげ)――それが現世(げんせ)での見納(みおさ)めでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...一種のなつかしみを持つ横浜の市街を見納めにながめようとせず...
有島武郎 「或る女」
...それが杉田二等水兵の見納となった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...――それが女学生姿のミチミの見納(みおさ)めだったのだ...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...これが今生(こんじょう)の見納め...
太宰治 「二十世紀旗手」
...そして彼は永久の見納めにクリストフをながめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかもそれで見納めとなることは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...兄との一生の見納めだと思った...
直木三十五 「南国太平記」
...これも如法(にょほう)に見納めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛騨の高山も今が一生の見納めじゃなくって...
中里介山 「大菩薩峠」
...これが江戸の見納めという意味にはならないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...これがパリの見納めかと思ふと...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...うしろに切火(きりび)打かくる女房の顔もこれが見納めか十人ぎりの側杖(そばづえ)無理情死(しんぢう)のしそこね...
樋口一葉 「たけくらべ」
...浄海 松王よ、これが見納め...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...わたしはあのときこれが見納(みおさ)めだと思ったその場所から...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...吾輩は娑婆(しゃば)の見納めのつもりで或夕方のこと...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...桜も今は当分の見納めと...
横光利一 「旅愁」
...そしてみな顔は、多門の上なる主人のすがたを仰いで、今を見納めぞと、しばしは同じ声のみを繰り返していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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