...作物が畑に青いままである頃から見立て買ひをして...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...心臓麻痺らしいという見立てでありました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...櫛田と云うのは、蘆屋川の停留所の近くに開業している医師で、見立ての上手な、技倆(ぎりょう)の卓越した人であるだけに、この近所で引っ張り凧(だこ)になっていて、毎日夜の十一時過ぎまで夜食にも戻らずに往診に廻っていると云う風なので、掴(つか)まえるのが容易でなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...見立てが上手だと云わなかったかい」「ええ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...贔屓(ひいき)に呼んでくれる藤川(ふじかわ)という出先のお神の見立てで...
徳田秋声 「縮図」
...同じいやなものにても壮士(そうし)役者か曾我(そが)の家(や)位ならまだ/\どうにか我慢も出来申(もうす)べく候へども自動車の運転手や活動弁士にてはいかに色事を浄瑠璃(じょうるり)模様に見立てたき心はありても到底色と意気とを立てぬいて八丈縞(はちじょうじま)のかくし裏なぞといふやうな心持にはなり兼(かね)申候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...心の臟をゑぐつて居るから即刻息が絶えたことだらうと言ふ見立てで」主人の久兵衞は背後から言葉を添へます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは下女のお六の見立てですがね」「何にか變なことでもあるのか」「許嫁(いひなづけ)の娘にこき使はれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのころの最新知識の秀才二人を見立て...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...こちらの見立てちがいで...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...見立て通りでやす...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...また西洋で北斗を大熊星というからその廻るのを熊尾と見立てての事か...
南方熊楠 「十二支考」
...狼を山の神というから狼の山の神に近侍し傳令する女巫(みこ)と見立てたのだろ...
南方熊楠 「十二支考」
...むくむくと太ったのを見立てて買った...
森鴎外 「鶏」
...アトから考(かんげ)えるとあっしゃこの時にいい二本棒に見立てられていたんですなあ...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...一緒にお見立てして下さらない...
横光利一 「旅愁」
...貴女はよくもこの藤吉郎どのを見立てなされた...
吉川英治 「新書太閤記」
...かく見れば前者の表現法は柳をば玉を貫ぬいた糸と見立てるところに主たる関心を持つものであり...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索