...」「見渡す限り、あなたの山、あなたの森、あなたの川、あなたの町、あなたの海です...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...見渡す大空が先ず雪に埋められたように何所(どこ)から何所まで真白になった...
有島武郎 「カインの末裔」
...見渡す限りの原野が孤寂(こじやく)な自分の自覺内に這入つて來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...見渡す限り、一丁ばかりの間、門一つなく、一直線に塀ばかりが続いている...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...見渡すかぎりの砂...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...でもまた、見渡す限り、ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に、幽かな黒一點をとどめてゐるものが、たとひそれは嘘にしても月の影法師だと云はれて見ると、鯛の大群や火事だと思つて眺めるよりは、風流人の浦島にとつて、はるかに趣きがあり、郷愁をそそるに足るものがあつた...
太宰治 「お伽草紙」
...さるにても湖畔に立つて見渡す所何といふ破屋! しかもコントラストに何といふ湖水の風致! いろ/\の思ひで知らず識らず垂れた頭をふりあぐると...
土井晩翠 「野口英世博士の生家を訪ひて」
...あらためてガラスの外を見渡す...
永井隆 「この子を残して」
...見渡す限りの荒涼たるアラスカの大平原...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...見渡すかぎり真白で...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...四辺(あたり)を見渡すと生憎(あいにく)誰も来ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...海には空想のひだがなく、見渡す限り、平板で、白晝(まひる)の太陽が及ぶ限り、その「現實」を照らしてゐる...
萩原朔太郎 「宿命」
...(えい)は一噸半から二噸半、広さは半町平方くらいのが普通にいて、それが海の上に浮きあがると、ラジャーの邸の庭よりまだ広く、見渡すかぎり、海がいちめんに赤紫に見えるほどです...
久生十蘭 「手紙」
...客席を見渡すと老人が多い...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「見渡すところ凄い田舎だからな...
牧野信一 「南風譜」
...見渡す限り樹木の一本もない広漠たる草原だつた...
牧野信一 「山を越えて」
...鎌倉は井あり梅あり星月夜長谷の觀音堂に詣でゝ見渡す山の名所古蹟隱士が指さす杖のさき一寸の内にあつまりたり...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
...夫人が跡片附をして居る間洞窟の前に出て見渡すと...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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