...そして今は自分に叛く競争者が起つた恩知らずの国を見棄てる事を決定する...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その死んだ男の借金の支払のために自分たちの分捕品を見棄てる気になるということは...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...春三郎は自分夫婦が今になつてこの營業を見棄てるのでさへ心苦しいのに...
高濱虚子 「續俳諧師」
...愛児の永眠についた家を見棄てることは...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...さすがの平次もこの醜女(しこめ)の寢間――世にも艶(なま)めかしい場所を見棄てる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...臭いものを見棄てるような無造作な態度で退(ど)いた未来の良人(おっと)の後姿を追って...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...俺が何でお前達母子を見棄てるものか...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...窓から見棄てる函館平野の風景は...
服部之総 「望郷」
...もしお前が彼(あれ)を見棄てるやうなことがあつたら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今やそれはまったく私を見棄てるのほかはない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...いますぐロダンを見棄てるわけにも行かない...
堀辰雄 「日時計の天使」
...政府もまたこれを見棄てることは出来ない筈(はず)だ...
本庄陸男 「石狩川」
...一日も速かに怒山の里を見棄てる決心だつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...歴史的研究を見棄てることは人間の認識を斷念することである*...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...発展せられた機械を見棄てるのは...
柳宗悦 「工藝の道」
...美しさを見棄てるか...
柳宗悦 「工藝の道」
...有利な地歩を見棄てることは決してせず...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...僕は品夫を殺さない決心ですから……品夫を見棄てる気は毛頭(もうとう)無いのですから...
夢野久作 「復讐」
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