...そして今は自分に叛く競争者が起つた恩知らずの国を見棄てる事を決定する...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その死んだ男の借金の支払のために自分たちの分捕品を見棄てる気になるということは...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...一つの世代は他の世代を坐礁した船のように見棄てるものだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...愛児の永眠についた家を見棄てることは...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...さすがの平次もこの醜女(しこめ)の寢間――世にも艶(なま)めかしい場所を見棄てる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...臭いものを見棄てるような無造作な態度で退(ど)いた未来の良人(おっと)の後姿を追って...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...お前を見棄てるやうなことはない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...もしお前が彼(あれ)を見棄てるやうなことがあつたら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ステツィコ! カテリーナに坊やを見棄てるなと言つて呉れい! お前たち...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今やそれはまったく私を見棄てるのほかはない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...いますぐロダンを見棄てるわけにも行かない...
堀辰雄 「日時計の天使」
...政府もまたこれを見棄てることは出来ない筈(はず)だ...
本庄陸男 「石狩川」
...歴史的研究を見棄てることは人間の認識を斷念することである*...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...それだから歴史的なものの認識にして主體的なものとの聯關を全く見棄てるべきでないならば...
三木清 「歴史哲學」
...だが工藝においては用を見棄てることは美を見棄てることに過ぎない...
柳宗悦 「工藝の道」
...美しさを見棄てるか...
柳宗悦 「工藝の道」
...有利な地歩を見棄てることは決してせず...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...それを承知で見棄てる鬼をば...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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