...一つの世代は他の世代を坐礁した船のように見棄てるものだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...春三郎は自分夫婦が今になつてこの營業を見棄てるのでさへ心苦しいのに...
高濱虚子 「續俳諧師」
...私は褐色の唾液を満載して自分の部屋を見棄てる...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...さすがの平次もこの醜女(しこめ)の寢間――世にも艶(なま)めかしい場所を見棄てる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俺が何でお前達母子を見棄てるものか...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...窓から見棄てる函館平野の風景は...
服部之総 「望郷」
...お前を見棄てるやうなことはない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ステツィコ! カテリーナに坊やを見棄てるなと言つて呉れい! お前たち...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今やそれはまったく私を見棄てるのほかはない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...いますぐロダンを見棄てるわけにも行かない...
堀辰雄 「日時計の天使」
...政府もまたこれを見棄てることは出来ない筈(はず)だ...
本庄陸男 「石狩川」
...歴史的研究を見棄てることは人間の認識を斷念することである*...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...それだから歴史的なものの認識にして主體的なものとの聯關を全く見棄てるべきでないならば...
三木清 「歴史哲學」
...発展せられた機械を見棄てるのは...
柳宗悦 「工藝の道」
...美しさを見棄てるか...
柳宗悦 「工藝の道」
...翁は国許の門弟を見棄てるに忍びないからという理由で聊(いささ)か無理をして帰ったらしい...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それを承知で見棄てる鬼をば...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...僕は品夫を殺さない決心ですから……品夫を見棄てる気は毛頭(もうとう)無いのですから...
夢野久作 「復讐」
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