...佐助も泣きはしたけれども彼女のそういう言葉を聞いては無限の感謝を捧(ささ)げたのであった彼の泣くのは辛(つら)さを怺(こら)えるのみにあらず主とも師匠とも頼む少女の激励(げきれい)に対する有難涙(ありがたなみだ)も籠(こも)っていた故(ゆえ)にどんな痛い目に遭(あ)っても逃(に)げはしなかった泣きながら最後まで忍耐(にんたい)し「よし」と云われるまで練習した...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...とにかく有難涙の溢れるほど自分の第一義的な理想を尊敬しているので...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...そぞろ有難涙(ありがたなみだ)に暮れるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...有難涙に咽(むせ)びおりまする次第でございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを聞いて有難涙に暮れながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...私などはほんとうに有難涙にくれたものでございました...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...ひとえに日ごろの信心のお蔭だと有難涙(ありがたなみだ)にくれる次第でございまス...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...親切な女で実意をつくしてくれることといったら……有難涙がこぼれるくらいだよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただもう有難涙に暮れるばかり……君とは言いながら...
吉川英治 「剣難女難」
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