...こちらさまのに善(よ)く似た犬の首玉に児供が縄を縛り付けて引摺(ひきず)って行くのを壱岐殿坂(いきどのざか)で見掛けたといったから...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...家内を一度も見掛けないのです...
海野十三 「人間灰」
...男は新潟で見たやうに外套を二重に着て居るのは見掛けません...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...足駄の爪掛に毛の着いたのを着て居るのは相當見掛けますが...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...そんなに見掛けは頑丈でありませんが...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...さういふ人に時々見掛けられる他の人に對する冷酷さといふものが殆ど無く...
太宰治 「知らない人」
...或晩(あるばん)竜子は母と一緒に有楽座(ゆうらくざ)へ長唄(ながうた)研精会の演奏を聞きに行った時廊下の人込(ひとごみ)の中で岸山先生を見掛けた...
永井荷風 「寐顔」
...すると迷亭の答えに僕はこう見えても見掛けに寄らぬ意志の強い男である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...見掛けに依(よ)らぬ良いバリトンで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...見掛けによらない才智者で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は曲者の逃げる姿をチラリと見掛けましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...北公 ちょいちょい見掛けるから...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...あなたは見掛けによらない非科学的な方だ」と...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...人妻になった万竜を一度見掛けた事があったが...
林芙美子 「晩菊」
...まづさう云ふ人種はパリイには余り多く見掛けない...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...背広服をきているのは私共の他に多くは見掛けなかったので...
松本泰 「日蔭の街」
...劇場で彼女と二人のフランス人を見掛けた事と...
松本泰 「日蔭の街」
...どうしてお関夫婦も此那見掛けからして利口でないに定まった様な男を養子にする積りに成ったのだろう...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
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