...片手を額にかざしてその姿に見入るもの...
壺井栄 「大根の葉」
...鋼鉄と熔鉱炉の火花に見入る若々しい魂なのである...
中井正一 「美学入門」
...それに見入る娘達や雛妓等の樣子迄もはつきり...
中島敦 「環礁」
...見入る盾の模様は霞(かす)むかと疑われて程なく盾の面に黒き幕かかる...
夏目漱石 「幻影の盾」
...空の碧(あお)さに見入るのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手すりめきたる所に寄りて久しう見入るれば...
樋口一葉 「あきあはせ」
...旅びとがおまへの雪のふつてゐる姿をどこか平原の一角から振りかへつてしみじみと見入ることができるまで...
堀辰雄 「辛夷の花」
...思はずそれにうつとりと見入る風に運ばれてゐます...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...くろぐろと流れてゐる大川に見入るやうなことがあつた...
堀辰雄 「水のほとり」
...旅びとがおまえの雪のふっている姿をどこか平原の一角から振りかえってしみじみと見入ることができるまで...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...ひろがった河口の先にしげしげと見入るのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...舞台中央に立ち停まり、ひそかにふところから懐剣を取り出して引き抜き、じっと見入る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...あの包をひろげて見入るといふことは...
室生犀星 「神のない子」
...これもよく見入るとあたらしくにゅうが五分ばかりふえ...
室生犀星 「陶古の女人」
...彼の切望そのものに見入るように...
山川方夫 「その一年」
...側(そば)に立つKIMONO(キモノ)姿のわたしをば不思議と見入る田舎人(ゐなかびと)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...伝八郎のすがたを懐しげに見入ると共に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...倦かず葉子の淫らな姿に見入るのだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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