...萩寺あたり僕は碌(ろく)でもないことを考えながらふと愛聖館の掲示板を見上げた...
芥川龍之介 「本所両国」
...精巧を極めたる二天門を見上げたるが...
大町桂月 「川魚料理」
...福来博士は心配さうな顔をして空を見上げた...
薄田泣菫 「茶話」
...西峠を越えて来る机竜之助の馬を避けて通す途端(とたん)に馬上の人を見上げたのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君の面を見上げたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぶら下がったぎり軍曹の顔を下から見上げたまま吾が子に引き摺(ず)られて行く...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...「え、見上げたわ、――私は嬉しい」お豊も血染の頬を歪めてニッコリしました...
野村胡堂 「礫心中」
...往来から見上げた時より...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...そう見えるほど厳しく下から見上げた...
長谷川時雨 「市川九女八」
...窓の外を見上げた瞳に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...」と真実羨しさうに見上げた...
眞山青果 「茗荷畠」
...ふと仏壇を見上げた時...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...その顔を見上げた...
夢野久作 「怪夢」
...」塩野は忘れていたらしく頓狂に云って千鶴子の顔を見上げたが...
横光利一 「旅愁」
...望楼のほうを見上げた...
吉川英治 「新書太閤記」
...いや見上げたというほうが当っている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いや見上げたよ」近くに転がッていた椰子椀(やしわん)を拾って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――特にそれを斜め横から見上げた時の力強い感じ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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