...大方はもぎ去られて見るかげもない残骸を...
伊藤野枝 「転機」
...見るかげもない老婆に変り果てていた――...
高見順 「いやな感じ」
...かの見るかげもない老爺(ろうや)の辻(つじ)音楽師を...
太宰治 「鴎」
...見るかげもない小犬である...
太宰治 「畜犬談」
...小(ちいさ)く萎(しな)びた見るかげもないお婆(ばあ)さんになってしまいました...
永井荷風 「監獄署の裏」
...神社というてもそれは見るかげもない小さなもので極めて小さな鳥居が建てゝある...
長塚節 「松蟲草」
...見るかげもない男ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お小夜が見るかげもないようすで寝床についている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...月ぎめ銀二朱で借りた見るかげもない古四ツ手...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...見るかげもないようになっていました...
久生十蘭 「キャラコさん」
...見るかげもないようになってしまった...
久生十蘭 「西林図」
...あのころは青んぶくれの見るかげもない貧相な小娘でしたが...
久生十蘭 「ハムレット」
...庭や廊下には見るかげもない草枯れの這うのにまかしてあることが分りました...
室生犀星 「あじゃり」
...まったく見るかげもないという姿になっていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どうしたものでござる御主人」「見るかげもない藪医者(やぶいしゃ)を...
吉川英治 「江戸三国志」
...今は藪だたみに見るかげもない老い木や朽ち木となっている...
吉川英治 「私本太平記」
...いまは見るかげもない姿を持ち合って...
吉川英治 「新書太閤記」
...それからずっと後になって、ぼくの家も、見るかげもない、どん底へ落ちてから、どう知ったのか、その道具屋の主人が、ある日、手土産を持って「おかげさまで、あの折は、たいへん儲けさしていただいて、それから店も順調に行っておりますので」と、お礼に来たそうである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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