...大抵(たいてい)は作為(さくゐ)が見え透くのである...
芥川龍之介 「雑筆」
...それをやつてゐるもの等の卑劣な熱心にさもしい根性が見え透くやうにも思はれる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どっかへ行ってしまった」「もうどっかへ嫁(かた)づいているの?……柳沢さんそんなことをいっていたよ」それを聴いて私はいよいよ柳沢が蔭(かげ)でお宮にいろんなことをいっているのが見え透くように思われた...
近松秋江 「うつり香」
...腹黒き計略が歴々(ありあり)と見え透くようでござりまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいよさんの反物は柄は絣であつたが翳せば先が見え透くやうな安物であつた...
長塚節 「隣室の客」
...しかしそれは今の普通の探偵小説ではきっと先生には絡繰(からくり)があまり見え透くのでつまらないといわれるのだろうと思われる...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...もう斯(こ)うなると前途が見え透く...
二葉亭四迷 「平凡」
...そんなお心の見え透くような御言葉なら...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...人の思想の長く発達せざりし有様も見え透く心地す...
正岡子規 「俳人蕪村」
...人の思想の長く発達せざりし有様も見え透く心地す...
正岡子規 「俳人蕪村」
...そうすると次の室が見え透く...
水野葉舟 「取り交ぜて」
...云わぬ心がハッキリ見え透く...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...黛夫人の腐れ破れた唇から見え透く歯並の美しいところ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その底の底に悪魔らしい明智と胆力に対する確信の誇りが浮き上っているのがわけもなく見え透くのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
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