...西蔵の主都であり西康...
久生十蘭 「新西遊記」
...印度からの入蔵を避けようとすれば、西康、青海、トルキスタン方面、ほかに怒江の上流の西寧を経由する方法もあるが、西蔵内部の交通路は、どんな間道を縫って入ってきても、上手な将棋指しが一つの駒であらゆる敵の進路をおさえてしまうように、いつかは公道を通らずにはすまぬ抜目のない設計になっているので、結局、外西蔵のどこかの道関で食いとめられ、国法を犯し、仏法相応刹土を洋夷の靴で穢した大罪によって、五体投地(ごたいとうち)稽首作礼(けいしゅさらい)という苛酷な刑に処せられる...
久生十蘭 「新西遊記」
...西康なり青海なり...
久生十蘭 「新西遊記」
...これを現今の地図で測ると、もとより千七百年前の地名は遺されていないが、南方大陸の河流から考察するに、仏領印度支那のメコン河の上流、また泰国(タイこく)のメナム河の上流、ビルマのサルウィン河の上流などは、共に遠くその源流を雲南省、西康省、西蔵東麓(チベットとうろく)地方から発して、ちょうど孔明の遠征した当時の蛮界をつらぬいているのではないかと思われる...
吉川英治 「三国志」
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