...一體襤褸を出すまいとし...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...赤坊はいんちこの中で章魚(たこ)のような頭を襤褸(ぼろ)から出して...
有島武郎 「カインの末裔」
...流行界にときめく淑女と襤褸(ぼろ)をまとふ工女と皆な等しく社会主義者である...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...繩帶(なはおび)の襤褸(つゞれ)の衣(ころも)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...その人の多様な過去の生活を現わすかのような継ぎはぎの襤褸(ぼろ)は枯木のような臂(ひじ)を包みかねている...
寺田寅彦 「凩」
...着物は完全な襤褸(ぼろ)でそれに荒繩(あらなわ)の帯を締めていたような気がする...
寺田寅彦 「物売りの声」
...襤褸(ぼろ)のような肉...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...たまたま身につけるものを施す人があつても不承不承に一日ふつか著るばかりでぢきにもとの襤褸と著かへてしまふ...
中勘助 「銀の匙」
...僕はいゝ加減惘れられるやうにと思つて有りたけの襤褸をまけ出してしまつた...
長塚節 「開業醫」
...――襤褸(ぼろ)の束(たば)の下には何があるんだ」平次は容赦しませんでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寧ろその襤褸布に包まれたまゝの姿にふさはしい――などゝ勿体さうに考へたりした...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...中には上半身裸体で屑屋みたいな継ぎハギの襤褸(ぼろ)股引を突込んだ向う鉢巻で「サア来い」と躍り出るので...
夢野久作 「ビール会社征伐」
...コンナ襤褸船(ぼろふね)の機関室だってことを...
夢野久作 「焦点を合せる」
...真青なバナナを盛り上げた船が襤褸(ぼろ)と竿の中から...
横光利一 「上海」
...襤褸(ぼろ)の群れが這いながら...
横光利一 「上海」
...きたない襤褸(ぼろ)の間などから転げて出る...
吉川英治 「江戸三国志」
...襤褸(ぼろ)つづらを荷駄にのせて...
吉川英治 「江戸三国志」
...襤褸(ぼろ)をめくってみると...
吉川英治 「新書太閤記」
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