...彼の財産は、シャツ二枚半、襟巻き二本、毛糸の靴下が一、二足、コールテンの古半ズボン一着、銹(さ)びたかみそり一挺(ちょう)、あちこち折りこんだ讃美歌の本一冊、それから、こわれた調子笛が一つであった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...あつい毛の襟巻きをまき...
土田耕平 「峠」
...ふっくらした毛皮の襟巻きを首に廻して...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...鼠色の襟巻きに包んだ大きな荷物を下ろす...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...黒い毛織の襟巻きを鼻の頭が隠れる迄ぐる/\と頤に捲きつけて俯向きながら...
長與善郎 「青銅の基督」
...暖かげな、ねんねこばんてんへくるまって、襟巻きをして、お嬢(じょ)っちゃんも坊さんも――お内儀さんが、懐から大きな、ちりめんの、巾着(きんちゃく)を出して、ぐるぐると、巻いた紐(ひも)を解いてお鳥目(ちょうもく)をつかみ出して払うのを、家の者に気がつかれないように、そっと女中にくっ附いていって、女中の袖の下から、小さな梟(ふくろう)のように覗いていたあんぽんたんは、吃驚(びっくり)して眼を丸めた...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...襟巻きに頤を埋めて...
牧野信一 「病状」
...これに襟巻きをしてロイド眼鏡でもかけて首をちぢめると...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...黒の襟巻き……茶の中折れが飛んで……赤靴が片っ方脱けおちてて……顔半分を真赤に濡らして……それを凝視した儘...
夢野久作 「線路」
...ガラス張りの貴賓館らしい下に、翁の一邸があり、そこの縁先をあけ、古色蒼然たる例の山高帽に、黒マント、顔半分、襟巻きに埋めて、松葉杖をつきながら、西洋アヤツリ人形みたいに、本年九十二歳のおじいさん出座...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??