...柔かい垂れ襞(ひだ)を見せてふうはりと吊るされてゐた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...三造はその中古(ちゅうぶる)になった袴の襞(ひだ)の具合に見覚えがあった...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...足利(あしかが)付近の連山の複雑した襞(ひだ)には夕日が絵のように美しく光線をみなぎらした...
田山花袋 「田舎教師」
...眼に口に毛皮外套の襞という襞に這い込む執念ぶかい雪……...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...」精霊はその着物の襞の間から...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...丸襞襟(まるひだえり)のような立ち襟の白い短外套(がいとう)と縁なし帽子とを彼に着せかけて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...窓掛の深い襞(ひだ)が左右に切れる間から...
夏目漱石 「虞美人草」
...その暗い陰影に劃られた山山の襞には憂欝と冷酷の色が深く刻まれてあつた...
「修道院の秋」
...村端の氷河を渡って涸雪(かれゆき)の山襞をたどり...
久生十蘭 「新西遊記」
...廊下の襞に背中を擦りつけ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ふだんは焦茶いろの細かい襞(ひだ)をとつた婦人服(カポート)を身に著け...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...自分の手また衣の襞(ひだ)より食を取らせ...
南方熊楠 「十二支考」
...扇子で袴の襞(ひだ)を撫(な)でながら...
山本周五郎 「花も刀も」
...地貌の襞が地の襞に投げている鮮かな陰影...
横光利一 「欧洲紀行」
...四山の山襞(やまひだ)も霧で見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...四明ヶ岳のふかい襞(ひだ)にも...
吉川英治 「親鸞」
...四山の峰の襞(ひだ)は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その赤い山襞のあちこちに遥々都から御あとを追うて来た御側の女がやがて身重になって籠ったあとの森だとか...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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