...一片の衣襞の屈曲の小に至るまで...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...山襞(やまひだ)の多い鬱然(うつぜん)たる樹木の山のみが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...ついさつきまでは澄み切つた空気の底にくつきりと襞(ひだ)を重ねてゐたのが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...眼に口に毛皮外套の襞という襞に這い込む執念ぶかい雪……...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...河には波の襞(ひだ)もなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...襞(ひだ)の広い柔らかなマントのように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...丸襞襟(まるひだえり)のような立ち襟の白い短外套(がいとう)と縁なし帽子とを彼に着せかけて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...皺も襞もなくすらりと伸びて...
豊島与志雄 「常識」
...そして私は、私たちのまえにただ一つの皺も、ただ一つの襞も、ただ一つのささやきもなしに開いているこの青い空間に不思議な和(なご)やかさを見いだした...
中井正一 「映画と季感」
...小倉(こくら)の襞(ひだ)を飽くまで潰(つぶ)した袴(はかま)の裾(すそ)から赭黒(あかぐろ)い足をにょきにょきと運ばして...
夏目漱石 「虞美人草」
...胸と腰に飾襞(ラッフル)のついたひどく厳重なロオブで...
久生十蘭 「だいこん」
...その透(す)き通つた襞(ひだ)に混じり...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...地貌の襞が地の襞に投げている鮮かな陰影...
横光利一 「欧洲紀行」
...暫くお待ちなされませ」「寄れ」彼女は緞帳の襞(ひだ)に顔を突き当て...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...四明(しめい)ヶ岳(だけ)の壁にはまだ残雪の襞(ひだ)が白く描かれているが...
吉川英治 「親鸞」
...自分のフロックの襞(ひだ)を...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...その山の襞、僅かに水の落ちている様な渓あいにまた一つ珍しいものを見出でた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...山の襞田圃の畔到るところにほの白く寂しい姿を見せていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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