...花を盛つた桜は彼の目には一列の襤褸(ぼろ)のやうに憂欝だつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...垢面襤褸(こうめんらんる)の下層者にかえって真のヒューマニチイを見る事が出来るといっていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...処々に働いている日本人農夫の襤褸(ぼろ)ながらも...
田中英光 「オリンポスの果実」
...古新聞と襤褸を屑屋へ売つて...
種田山頭火 「其中日記」
...青いシャツだの肩から膝へ掛けた襤褸(ぼろ)だの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...掛けぶとんと自ら言っていた襤褸(ぼろ)と...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何とも知れぬ汚(きたな)らしい襤褸(ぼろ)の数々は旗か幟(のぼり)のやうに両岸(りやうがん)の屋根や窓の上に曝(さら)し出される...
永井荷風 「水 附渡船」
...襤褸(つづれ)の満艦飾を施し...
中里介山 「大菩薩峠」
...これが石油を襤褸(ぼろ)に浸(し)み込(こ)まして...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...その襤褸(つづれ)からも後光が射しそうで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...びしょびしょな襤褸(ぼろ)にくるまった彼女は...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...綿の襤褸を着ぶくれて...
原民喜 「潮干狩」
...襤褸切れになったりしていなくとも...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その腰には襤褸布に包んだ異様なものがぶらさがっていた...
久生十蘭 「海難記」
...鶴亀々々!――そんな碌でもない襤褸つきれなんぞ探しに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...裸にして腰のまわりだけに襤褸(ぼろ)を引き纏い...
柳田国男 「山の人生」
...こッちの襤褸(ぼろ)も出るわけだが...
吉川英治 「江戸三国志」
...更紗(さらさ)の襤褸(つづれ)や...
吉川英治 「日本名婦伝」
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