...襤褸(ぼろ)とはいえ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...この俺に感化されたのか家中が寢鎭つてから小供の襤褸布を取り出しても仕事は明日の晩にして本をよむ事にするどうかすると曉方までもう此頃はあの癖は止まつたらしい然しあの頃の事は矢張り思ひ出すだらうなあの頃は自分にも一番よかつた善惡の觀念が單純にはつきりして居て今程思想は混亂しないで心の儘に振舞つて...
千家元麿 「自分は見た」
...愚作家その襤褸(らんる)の上に...
太宰治 「乞食学生」
...襁褸(おしめ)同然の襤褸(ぼろ)着物が一杯に懸け連ねてあるし...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...晴代はその手前二人の襤褸(ぼろ)は見せたくないと思つてゐた...
徳田秋声 「のらもの」
...彼女は襤褸(ぼろ)を床(ゆか)に取り散らし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...垢と煤とでこけらの生えた身体に焼けこげだらけの襤褸(ぼろ)をき...
中勘助 「銀の匙」
...子には襤褸(ぼろ)を下げさせ家とては二疊一間の此樣な犬小屋...
樋口一葉 「にごりえ」
...女の捨てた襤褸だろうが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まるで襤褸貨物船(フレイタア)か何ぞのように他愛なく沈み出したのだ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...俺達みたいな襤褸船なんか相手にしやぁしないよ」世界最大の新造船と渺たる貨物船と...
牧逸馬 「運命のSOS」
...不図身のまはりに気づくと衣服は襤褸のジヤケツ一つとなり...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...小屋で襤褸に包まれオウトミイルと馬鈴薯で養われた同じ年齢の人間を...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...鳥打帽子もジャケツも襤褸著(ぼろぎ)も5220身軽な支度だ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...治療に来るのはいずれも襤褸(ぼろ)を着た...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...今まで積った塵埃だと思っていた襤褸(ぼろ)の山が...
横光利一 「上海」
...又如何に二人が襤褸(ぼろ)を下(さ)げて生活(くら)しても...
與謝野寛 「執達吏」
...そして血だらけの襤褸みたいな...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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