...聖人や英雄の襤褸布(ぼろきれ)で...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...愚作家その襤褸(らんる)の上に...
太宰治 「乞食学生」
...処々に働いている日本人農夫の襤褸(ぼろ)ながらも...
田中英光 「オリンポスの果実」
...襤褸を身につけたりしたあらゆる悪漢を手にかけた事がある...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...その人の多様な過去の生活を現わすかのような継ぎはぎの襤褸(ぼろ)は枯木のような臂(ひじ)を包みかねている...
寺田寅彦 「凩」
...それが妙に天井の煤(すす)のような臭気のある襤褸切(ぼろぎ)れのような...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...着物は完全な襤褸(ぼろ)でそれに荒繩(あらなわ)の帯を締めていたような気がする...
寺田寅彦 「物売りの声」
...火傷部に襤褸(ぼろ)を被(かぶ)せて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...艶(つや)の失せた襤褸(ぼろ)であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一と塊(かたまり)の襤褸切(ぼろき)れのやうに崩折れるお菊を搖ぶり乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泥の中をひきずりまわしたようなひどい襤褸(ぼろ)を着せ...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...女の捨てた襤褸だろうが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...紙を漉くのにどれだけ襤褸くづをつかつたら堪能ができるのだらう! 貴賤の別なく猫や杓子までが見やう見真似で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...濡襤褸(ぬれぼろ)をもつて幾重にも大切にこれを包んで...
牧野信一 「心象風景」
...不図身のまはりに気づくと衣服は襤褸のジヤケツ一つとなり...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...襤褸(ぼろ)というより布切(ぬのきれ)を集めて体へ縛りつけたような...
山本周五郎 「花も刀も」
...この茅屋(あばらや)と襤褸(つづれ)の御辛抱をねがいますが...
吉川英治 「新書太閤記」
...あの襤褸(つづれ)にひとしい古小袖が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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