...殿樣が襤褸を着て御菰になつた趣があるとも云へよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...皆襤褸(つゞれ)を身に纏ひて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...襤褸(らんる)を身に包み...
石川啄木 「閑天地」
...寒氣を防ぐためにありつたけの襤褸で武裝して...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...云わば襤褸(ぼろ)に包まれた「白さ」であるだけ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...襤褸を身につけたりしたあらゆる悪漢を手にかけた事がある...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...その周囲に襤褸を来た男達と子供達の一団が夢中になって手を煖めたり...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...銀子や家人の前には少しも襤褸(ぼろ)を出さず...
徳田秋声 「縮図」
...たまたま身につけるものを施す人があつても不承不承に一日ふつか著るばかりでぢきにもとの襤褸と著かへてしまふ...
中勘助 「銀の匙」
...襤褸切(ぼろぎ)れのように醜く歪(ゆが)められ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朱(しゅ)を浴びた襤褸切(ぼろきれ)のように倒れていたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...びしょびしょな襤褸(ぼろ)にくるまった彼女は...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...この襤褸(ぼろ)っさげという言葉には非常に穿った名詞がくっついていたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...寧ろその襤褸布に包まれたまゝの姿にふさはしい――などゝ勿体さうに考へたりした...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...襤褸(ぼろ)商人の家の二階の格子窓(こうしまど)の前の屋根の上に反古籠(ほごかご)が置いてあって...
正岡子規 「車上の春光」
...古襤褸(ふるぼろ)の多量は大阪を経由し...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なけなしの襤褸(ぼろ)だの貧しい家財を担(にな)って子の手をひいてゆく者だの――明日知れぬ運命へ駆り立てられながら...
吉川英治 「三国志」
...そして血だらけの襤褸みたいな...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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