...浴衣に褞袍をかさねた快さ...
種田山頭火 「其中日記」
...大縞(おほしま)の褞袍(どてら)を着た五十ばかりの中老漢(ちゆうおやぢ)が趺坐(あぐら)をかいて坐つて居るので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...浴衣のうへに貸し褞袍を重ねて番傘を翳しながら其處らを退屈さうにぶら/\歩いてゐたりするのを見掛けるが...
近松秋江 「箱根の山々」
...糺(ただす)が褞袍(どてら)を着込んで...
徳田秋声 「足迹」
...余は宿の褞袍(どてら)を引かけ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...寝間着に褞袍をはおった登志子が...
豊島与志雄 「擬体」
...浴衣の上に褞袍(どてら)を重ねた彼の姿をちらと見上げて...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...松本幸四郎(まつもとこうしろう)が高麗格子(こうらいごうし)の褞袍(どてら)に鉢巻(はちまき)して片手の指先にぼんやりと煙管(きせる)を支(ささ)へさせたるが如き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...おら「ツアヽ」は短氣だから打つ殺されつかも知んねえ」「なにして又打つ殺されるやうなことに成つたんだ」「ゆんべ遊びに出て褞袍なくしつちやたんだ...
長塚節 「芋掘り」
...其褞袍は其後盜んだ奴が元の所へ捨てゝ置いたので再び兼次の手にもどつた...
長塚節 「芋掘り」
...動(うご)けぬ程(ほど)褞袍(どてら)を襲(かさ)ねて節制(だらし)なく紐(ひも)を締(し)めて...
長塚節 「土」
...仕事の方に取りかゝらうかと思つて居る」利助は褞袍(どてら)を引つかけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その晩出した貸し褞袍(どてら)を見せてくれないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...(ふき)の厚い大名縞の褞袍(どてら)に小(こ)弁慶のしたうまを重ね...
久生十蘭 「生霊」
...……褞袍を着て、頬冠りをして……」三十郎は、馬鹿々々しくなって笑い出した...
久生十蘭 「生霊」
...「ふあ! 様子してはる――」大騒ぎで褞袍を脱がせ...
宮本百合子 「高台寺」
...タッタ一枚着ておりました私の褞袍(どてら)を上から引っ被(かぶ)せて...
夢野久作 「近世快人伝」
...宿の褞袍(どてら)を着た三人の女と出会った...
横光利一 「旅愁」
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