...平生『敞衣褞袍、興衣狐狢立、而不恥者、其申也歟』など言うて、いささか誇りにしてゐた予も、人情の不意討を喰うて不覺の涙さへ禁じ得なんだ」當時の私の状態がいかに哀れなものに見えたかが想像せられます...
石川三四郎 「浪」
...やがて叔父が褞袍(どてら)を羽織って...
徳田秋声 「足迹」
...褞袍(どてら)を引っかけて...
徳田秋声 「足迹」
...褞袍を胸元までかけ...
豊島与志雄 「擬体」
...寝返りをしてみた――いつのまにか枕をして褞袍を着ていた...
豊島与志雄 「月明」
...私は褞袍にくるんでいつものように足座の中に抱いてやった...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...兼こと連れて來てくろ」此れで褞袍の一件は濟んだ...
長塚節 「芋掘り」
...淺(あさ)く掛(かゝ)つて居(ゐ)た雪(ゆき)が溶(と)けて卯平(うへい)の褞袍(どてら)が少(すこ)し濡(ぬ)れて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...旅籠屋(はたごや)の褞袍(どてら)を着たまま二里の道を中橋まで来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...着物や褞袍(どてら)を何枚か卷いて――尖端(さき)の方だけで宜い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...褞袍(どてら)ほどの厚い着物に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...褞袍の袖(そで)の匂ひをかぎながら...
林芙美子 「浮雲」
...「あゝ」ゆき子は褞袍をぬいで...
林芙美子 「浮雲」
...ころんだ拍子に褞袍の裾が朝顔の花のようにおっ開いて...
久生十蘭 「生霊」
...褞袍の裾が草にひっ絡んで急には起きあがれない...
久生十蘭 「生霊」
...角張った顔の角張った身体つきの男が継ぎだらけの褞袍(どてら)を着て出てきて...
正岡容 「寄席」
...其者(そのもの)の諸器褞袍(おんぽう)も残りあれば...
柳田国男 「山の人生」
...それから褞袍(どてら)に着かえて...
夢野久作 「人の顔」
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