...東の縁に干してある襁褓(むつき)から立つ塩臭いにおいや...
有島武郎 「或る女」
...まだ襁褓(むつき)の中を出でざるにひとし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...雲は海を蔽う衣であり黒暗はこれを包む襁褓であるとは...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...子供の襁褓(おしめ)を洗つたりするものなのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...衣服やら小児(こども)の襁褓(むつき)やらがいっぱいに散らかされてあったが...
田山花袋 「田舎教師」
...ズボンやお襁褓(むつ)から落ちる影が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ねむい」
...懐しい襁褓(むつき)の臭のような愛情が...
外村繁 「夢幻泡影」
...私は襁褓(むつき)提げて...
外村繁 「夢幻泡影」
...この手はぶざまな赤ン坊たちの襁褓((むつき))を洗つたことはない...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...今なら襁褓(おしめ)干しにつかうような格好のものを入れて洋服を着ていた時代である...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...襁褓(むつき)のうちから二人を許婚(いいなずけ)にし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...襁褓(むつき)台からころげ落ちたなり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...それから襁褓(むつき)の支度をした...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...お産の牀にある従兄の嫁の世話から嬰児の襁褓の洗濯...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...子の襁褓(むつき)を自ら濯(すす)いでいるという有様だった...
吉川英治 「黒田如水」
...汝のようなまだ襁褓(おしめ)のにおいがするような疥癩(かいらい)の小児を...
吉川英治 「三国志」
...末の子の襁褓(むつき)でも換(か)えているらしく...
吉川英治 「新書太閤記」
...「妙高尼(みょうこうに)の襁褓乞(むつきごい)」...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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