...赤禿の山の裾に支那のランプ屋だの酒桟(チュザン)だのがごみごみ店を出した景色は軽井沢よりも一層下等である...
芥川龍之介 「長江游記」
...其所は山裾になつた土地で...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...打掛の裾が、廊下の床に出ている釘かなんぞにひっかかったものだろうと思って、片手に打掛を捌(さば)き、「おや」振返ってみるとその打掛の裾は、廊下の下にいる何者かの手によって押えられているのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...涙(なみだ)が又(また)ぼろ/\と衣(きもの)の裾(すそ)から跳(は)ねてほつ/\と庭(には)の土(つち)に點(てん)じた...
長塚節 「土」
...左右に大裾をひき放った...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...山裾の農家の瀬戸に...
久生十蘭 「あなたも私も」
...髪や衣の裾に氷柱(つらら)をつけて私の部屋へやって来るようになった...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...着物の裾で、頭と手を被(おほ)つて、奧まつた木立の奧の方へ歩きに行つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しずかに裾を捲り...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...東南の方大富士がスラツと立つて裾を曳く...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...六千尺位の高さの嶺が立ち連なつて、南の果てはその山の肩を見せ、その肩を描く線は長く下へ曵いて、八ヶ嶽の裾野、諏訪湖の方へと走つてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...焼火山(たくひやま)一つの裾野だけでも十人や二十人の数が散らばッて潜むになんの造作があろう...
吉川英治 「私本太平記」
...裾野(すその)の戦(いくさ)も一段落(だんらく)となっているわ」「アアしまった! しまった! すッかり寝こんでなにも知らなかった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...裾野(すその)より高地となるから...
吉川英治 「神州天馬侠」
...この山裾(すそ)には...
吉川英治 「新・水滸伝」
...白い行衣(ぎょうえ)の裾(すそ)を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...正面に浅間山が方六里にわたるという裾野を前にその全体を露わして聳えている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...裾長の著流しで学生帽を被った四十年輩の船頭はただにやにやと笑いながら懐中から煙管を取り出していた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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