...自己と自然と社會との凡てに就いて樣々の苦惱を裹んでゐる人間であることを思ふ時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...われに一裹(ひとつゝみ)の文書(もんじよ)を遞與(わた)して云ふやう...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...いよ/\心もとなくて媼の授けし裹(つゝ)み引き出すに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...今は何をか裹(つつ)むべき...
巌谷小波 「こがね丸」
...「神は傷(きずつ)けまた裹(つつ)み...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...晴やかな笑声に裹(つつ)まれていた一座は...
海野十三 「空襲葬送曲」
...すなはち裹脚(はゞき)なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...今迄(いままで)自分の身のまわりを裹(つつ)んで居た賑(にぎ)やかな雰囲気(ふんいき)を遠ざかって...
谷崎潤一郎 「秘密」
...お上さんはここで最後の運を試すんだよ」萌黄(もえぎ)の風呂敷に裹(つつ)んだその蒲団を脊負いださせるとき...
徳田秋声 「あらくれ」
...野暮くさい束髪頭の黒羅紗(くろラシャ)のコオトに裹(くる)まって...
徳田秋声 「仮装人物」
...半紙に裹(くる)んだものを取り出して来た...
徳田秋声 「縮図」
...覺むれば、雨降り出でぬ、近くは嫩艸、三笠、遠くは志貴、葛城の山々、かしここゝの聚落、煙雨に裹まれて、興福寺の五重塔、猿澤池、一しほ優なるながめなり、几帳をへだてゝ坐睡したる女を見るがごとし、強ちに我が寢惚て見し故のみにはあらず...
内藤湖南 「寧樂」
...あの「裹頭(かとう)」という姿が最もよくこれに似ている...
中里介山 「大菩薩峠」
...赤い布(きれ)で裹(つつ)んだ手摺(てすり)の上に載(の)せながら...
夏目漱石 「明暗」
...杼と手荷物と餅一つ裹(つつ)んだ手巾を持って武者修行に出で...
南方熊楠 「十二支考」
...かの三石を布片に裹(つつ)み舎の屋裏に匿(かく)すと...
南方熊楠 「十二支考」
...これを大袱(おほぶろしき)に裹(つゝ)んで随ひ来つた僕にわたした...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それが己を裹(つつ)んで...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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