...二裸で、炎天に寝ころんでゐるのは、この打麦場の主人で、姓は劉、名は大成と云ふ、長山では、屈指の素封家(そほうか)の一人である...
芥川龍之介 「酒虫」
...だから機関大尉はいま素裸でいられるのでありますなどと...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...ヨーロッパ人が着物を着てふるえているのに裸でいてちっとも困らないそうである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...もともと裸で生まれてきたのですもの...
高神覚昇 「般若心経講義」
...まさか、裸ではなからう...
太宰治 「富嶽百景」
...童子(どうじ)も裸であった...
富田常雄 「刺青」
...また縁日などに乞食坊主は寒中裸で水を浴びて人に銭を貰った...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...何しろ、裸ではあるし、海の風がうら淋しく吹いてくるのですから、蘆管の音そのものまで寒くなるのも仕方がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...一枚だって着られるのはありませんよ」七仰向けに釣台の上に裸で寝かされているイヤなおばさんは...
中里介山 「大菩薩峠」
...裸で薄(すすき)の中へ倒れてさ...
夏目漱石 「二百十日」
...日本でさえ裸で道中がなるものかと云うくらいだから独逸(ドイツ)や英吉利(イギリス)で裸になっておれば死んでしまう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...八五郎が『裸で死んで居た』と報告したのも滿更嘘ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...全裸であばれ回ることが「痛快」なことであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...むろん裸でです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...すっ裸で寝る習慣だったものですから...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...あの近頃発見された諸民族の裸で歩きまわる習慣は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分もまた丸裸で堂々と乗りまわした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...弟様の孫権(そんけん)、大将周泰(しゅうたい)のおふた方で、防ぎに努めましたが、その折、賊のなかへ斬って出られたご舎弟孫権様をたすけるため、周泰どのには、甲も着ず、真ッ裸で、大勢を相手に戦ったため、槍刀創(きず)を、体じゅうに十二ヵ所も受けられ、瀕死の容態でございます」使いのはなしを聞くと、孫策は急いで宣城へ帰った...
吉川英治 「三国志」
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