例文・使い方一覧でみる「裲」の意味

...赤い裲襠（しかけ）を着た姐様（ねえさん）もあれば... 赤い裲襠を着た姐様もあればの読み方
泉鏡花「伊勢之巻」

...寺にはまた高尾の襠裲の殘片と稱するものをも藏す... 寺にはまた高尾の襠裲の殘片と稱するものをも藏すの読み方
大町桂月「鹽原新七不思議」

...ガラス張りの戸棚の中（うち）には花魁（おいらん）の着る裲襠（しかけ）が電燈の光を浴びて陳列してあった... ガラス張りの戸棚の中には花魁の着る裲襠が電燈の光を浴びて陳列してあったの読み方
高浜虚子「漱石氏と私」

...なんでも叔母がその琴唄のすんだあとで楽屋へ会いにいきましたらまだ裲襠を着たままできょうのおさらいは琴はどうでもよいのだけれどもいっぺんどうしてもこういう姿がしてみたかったのだといってなかなか裲襠をぬぎたがらないでこれから写真をうつすのだなどといっていたそうにござります... なんでも叔母がその琴唄のすんだあとで楽屋へ会いにいきましたらまだ裲襠を着たままできょうのおさらいは琴はどうでもよいのだけれどもいっぺんどうしてもこういう姿がしてみたかったのだといってなかなか裲襠をぬぎたがらないでこれから写真をうつすのだなどといっていたそうにござりますの読み方
谷崎潤一郎「蘆刈」

...きらびやかな裲襠（うちかけ）の後姿が... きらびやかな裲襠の後姿がの読み方
谷崎潤一郎「細雪」

...それは裲襠も守り刀も... それは裲襠も守り刀もの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...その女の人は長い裲襠（うちかけ）の裳裾（もすそ）を引いて... その女の人は長い裲襠の裳裾を引いての読み方
中里介山「大菩薩峠」

...欄干にひっかかっている裲襠（うちかけ）を蹴飛ばしたが... 欄干にひっかかっている裲襠を蹴飛ばしたがの読み方
中里介山「大菩薩峠」

...頭から裲襠を被せて... 頭から裲襠を被せての読み方
野村胡堂「新奇談クラブ」

...金糸銀糸の刺繍（ぬひとり）をほどこした裲襠（うちかけ）... 金糸銀糸の刺繍をほどこした裲襠の読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...赤ゑり赭熊（しやぐま）に裲襠（うちかけ）の裾ながく... 赤ゑり赭熊に裲襠の裾ながくの読み方
樋口一葉「たけくらべ」

...ホステスのスエスリング夫人は長い立派な緑色のお召物の上に錦襴（きんらん）の裲襠（うちかけ）を着て...
三浦環「お蝶夫人」

...瞬く間に裲襠を剥ぎ取られて高手小手に縄をかけられつ... 瞬く間に裲襠を剥ぎ取られて高手小手に縄をかけられつの読み方
夢野久作「白くれない」

...三枚襲（がさ）ねの振袖と裲襠（うちかけ）を逆さに着せて... 三枚襲ねの振袖と裲襠を逆さに着せての読み方
夢野久作「ドグラ・マグラ」

...矢は裲襠の袂に止まって... 矢は裲襠の袂に止まっての読み方
吉川英治「新編忠臣蔵」

...一学の投げた裲襠（かいどり）がふわりと風を孕（はら）んで舞って来た... 一学の投げた裲襠がふわりと風を孕んで舞って来たの読み方
吉川英治「新編忠臣蔵」