...善とか惡とか云ふ事も全く腦裡から消えて了つて...
石川啄木 「病院の窓」
...諸君たちもまたわしと何等異るところはないはずだ」やがて正造が足を洗って庫裡へあがったのをしおに...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...散漫に陥りやすいのを緊張裡にひきとめ...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...かの女はさま/″\の思ひに満されながら庫裡(くり)の方へ行つた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...庫裡(くり)の藁葺(わらぶき)屋根と風雨(ふうう)にさらされた黒い窓障子が見えた...
田山花袋 「田舎教師」
...幼稚(いとけな)い蕚(はなぶさ)の裡(うち)に毒(どく)も宿(よど)れば藥力(やくりき)もある...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...空想裡ではそれは烱眼な観客に対しての上演を必要ならしめたのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...カイゼルの胸裡(きょうり)にはその時既に空中襲英の問題が明らかに画かれていたと称せられている...
寺田寅彦 「戦争と気象学」
...雜然と腦裡にむらがり寄る亂れた想念をいだきながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...私の生氣(せいき)はすつかり目覺めて身體の裡(うち)に動いた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...)この老嬢たちにも知(し)らず識(し)らずの裡(うち)に働いていたものと見える...
堀辰雄 「美しい村」
...圍爐裡のそばにさびしさうに上り込んでゐた...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...しかしながら私の裡(うち)に...
堀辰雄 「幼年時代」
...正にこれ巫女廟の花は夢の裡(うち)に残り...
南方熊楠 「十二支考」
...人間の労働のために歪み膨らんだ建物の裡は...
「一本の花」
...かれの胸裡にはすでに...
山本周五郎 「新潮記」
...握りあう手と手の裡に...
吉川英治 「新書太閤記」
...その寂光万華(まんげ)の燦(かが)やきの裡に...
吉川英治 「親鸞」
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