...老僧と机ばかり円光の裡(うち)の日だまりで...
泉鏡花 「遺稿」
...その夜を大警戒裡にそこで明かすこととなった...
海野十三 「地球発狂事件」
...列国との生存競争場裡(じょうり)に立ちて適者として生存するを得るに至るまでの間は...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...その男の口裡(くちうら)で見ると...
高村光雲 「佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」
...寝たのですか」裡(うち)では婢(じょちゅう)の声がした...
田中貢太郎 「一握の髪の毛」
...かく色々と疑い得らるる原因を数えて来れば早晩春琴に必ず誰かが手を下さなければ済まない状態にあったことを察すべく彼女は不知不識(しらずしらず)の裡(うち)に禍(わざわい)の種を八方へ蒔(ま)いていたのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...空想の裡(うち)で――ある時は鋤で...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...私小説を暗々裡に支援した...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...この美くしさを冥々(めいめい)の裡(うち)に打ち崩しつつあるものは自分であると考え出したら悲しくなった...
夏目漱石 「それから」
...猥雑(わいざつ)なレヴュウを観て居る裡に...
西尾正 「陳情書」
...二人のユーモアの裡(うち)に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...懷疑の裡に仕事をすることの愉しさ...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...あたかも自分の心の裡さながらのような気がしながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...庫裡(くり)や方丈の方で騒擾(そうじょう)たる人の足音が絶えません...
吉川英治 「江戸三国志」
...悲愁(ひしゅう)の裡に沈んでいる泥舟を励ますためであった...
吉川英治 「剣の四君子」
...――で、これから又之丞殿と二人して、大石殿のお旅先へ、警固のため、お迎えに行こうと、途々(みちみち)相談して来た処ですが』『行かんでもよい』膠(にべ)なく云って、後を、口の裡で、『――そんな不覚な大石殿か』と、呟いた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...直ぐ大囲炉裡の榾火(ほたび)の側に招ぜられた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...あとの一つは内裡(だいり)に安置したが今は法華滅罪寺にある...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索