...現に内裡(だいり)の梅見の宴からの御帰りに...
芥川龍之介 「邪宗門」
...妻は燃えかすれる囲炉裡火に背を向けて...
有島武郎 「カインの末裔」
...そして踊っている裡(うち)に...
海野十三 「間諜座事件」
...囲炉裡(いろり)の火は快よく燃える...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...庫裡の前の庭も皆なしてかゝつて綺麗に掃除した...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...脳裡(のうり)には絶え間なくいかにも立派な安らかな想いが浮かんで来て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...うつつの裡(うち)から救ってやろうかと思った...
夏目漱石 「草枕」
...)それから数日と立たない裡(うち)に引続いて又...
堀辰雄 「雉子日記」
...現存の人の裡世界第一の偉人と思惟する人 一...
牧野信一 「私の崇拝する偉人」
...その裡には、やはり、私の昔の生活の雰囲気から来ているもの、会ではひとが、中央に私を坐らせる、そういうようなもの、種々が影響しているわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...怪しみながら庫裡(くり)を出て...
吉川英治 「黒田如水」
...陣中は夜どおし緊張しきった裡(うち)にこもごも一睡をとっていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...氷雪の裡(うち)に為(な)すなく押しこめておくほかなきものとしていたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...頭巾の裡に縫いこめてある自作の詩を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...政(まつり)に要(い)る大事なものを火の裡から持ち出されい」いいすてると...
吉川英治 「親鸞」
...なぜならば、音は、彼の脳裡に、肉体のあるかぎりは忘れ得ないであろうほどふかく記憶に烙(や)きついているはずであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...無用な敵対は思い止(とど)まって、姉妹(きょうだい)尼にでもなって亡き家来の回向(えこう)でもしてやったがよい)と、鋭い眼の裡にも、優しみをこめて、懇々と諭(さと)した...
吉川英治 「柳生月影抄」
...わたしはとう/\自分のお膳を持つてその焚火に明るい囲炉裡ばたまで出かけて仲間に入つた...
若山牧水 「木枯紀行」
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