...一僕はコンクリイトの建物の並んだ丸(まる)の内(うち)の裏通りを歩いてゐた...
芥川龍之介 「春の夜は」
...時たま裏通りに面した石塀の西の端にある勝手口で女中らしい若い女を見かけた以外には...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...私のぶらつくところはおおむね背中のような腋(わき)の下のような指の間のような裏通り...
高見順 「如何なる星の下に」
...この時、私の師匠東雲師の家は諏訪町にあることとて、火事は裏通り、大分遥(はる)かに右手に当って焼け延びているのであるから、さして気にも留めずにいた...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それから四谷見附の麹町十何丁目かのあの一丁ばかりの間の裏通りも好い...
竹久夢二 「砂がき」
...平生は火の消えたように静かな裏通りにも...
田山花袋 「田舎教師」
...そして夜は雪の消え残った裏通りを黙々として彷徨した...
豊島与志雄 「運命のままに」
...新潟の町の裏通りに彷彿たるものがある...
豊島与志雄 「中支生活者」
...京橋(きょうばし)の河岸通(かしどおり)が向うの方に見渡される裏通り...
永井荷風 「ひかげの花」
...此処は銀座の裏通りのカフェー...
中原中也 「夏の夜の話」
...よく淺草公園の裏通りや...
萩原朔太郎 「追憶」
...けさもあの裏通りで雪のなかに埋まってしまったではないか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この流浪人(さすらいびと)は割合人気(ひとけ)の少ない裏通りへ入って行った...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...さうしてその少女が暗い裏通りの怪しげなホテルの中へ這入るのを突き止めた……私もちよつと躊躇をしたのち...
堀辰雄 「鳥料理」
...そんな裏通りなんぞにある...
堀辰雄 「幼年時代」
...仲平は麻布長坂(あざぶながさか)裏通りに移った...
森鴎外 「安井夫人」
...同大使館の裏通りに快楽亭という料理屋をはじめたのを...
柳田国男 「故郷七十年」
...相生(あいおい)町二丁目の裏通りに...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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