...銀行の仕事も終えると私はラムプラス裏通りの銀行倶楽部へと車を駈ったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...十二か月の汁粉屋(しるこや)も裏通りへ引っ込んだようであったがその後の消息を知らない...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...ほの暗い裏通りを自分の下宿の方へ向って歩いた...
豊島与志雄 「生あらば」
...寂然とした裏通りを透して見てる眼に集っていた...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...霧深い裏通りを歩き廻った...
豊島与志雄 「未来の天才」
...壁はある大通りかもしくは樹の植わった裏通りと庭との界(さかい)になってるらしかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...門のないその宅は裏通りらしい町の中にあった...
夏目漱石 「道草」
...一歩裏通りに入ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎が案内したのは、二丁目の裏通り、御用空地に面した三軒建の長屋で、場所柄でもあり、木口も建具も調度も、浪宅とは思へぬ洒落れたものでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうして貴女(あなた)はここに來たのやさしい 青ざめた 草のやうにふしぎな影よ貴女は貝でもない 雉でもない 猫でもないさうしてさびしげなる亡靈よ貴女のさまよふからだの影からまづしい漁村の裏通りで魚(さかな)のくさつた臭ひがするその腸(はらわた)は日にとけてどろどろと生臭くかなしく せつなく ほんとにたへがたい哀傷のにほひである...
萩原朔太郎 「青猫」
...伊香保の町の裏通りを歩くと...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...うらぶれはてた乞食の心でいつも町の裏通りを歩きまはつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...僕は外食に出掛けて行くため裏通りを歩いている...
原民喜 「悪夢」
...煉瓦塀に沿った小径をぬけるとそこは裏通りになっていた...
松本泰 「日蔭の街」
...あれはもう築地に入っている所かもしれない川に添った裏通りの表から見れば古いビルディングだが内部は空襲でこわれたままに応急にガタガタと仕切って作ったアパートだったそう...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...さびれた裏通りだもの...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...裏通りには歯の抜けたように暗い空地がある...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...とんぼのように裏通りの秋晴れへ出て行った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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