...恐ろしい運命が葉子に対して装うた仮面で...
有島武郎 「或る女」
...この方が実行はやさしい)四例(3)犯人が被害者の一人を装う(複数被害者の場合で...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...彼の表面倹約を装うてその実卑吝(ひりん)貪欲(どんよく)の行為を成し...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...つとめて平常を装うようにして...
大阪圭吉 「死の快走船」
...その家にありて行儀正しく武器を装うたるは...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...快活を装う明け放しの老人のように...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...表面、愚を装うて、内心睚眦(がいさい)の怨(うら)みまでも記憶していて、時を待って、極めて温柔に、しかして深刻に、その恨みをむくゆるというような執念が、この男に、微塵も存しているということを想像だもするものはないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...まじめな顔だって偽り装うことができるから...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...無関係を装う様子があまりにも見え透いていたので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...何気ない調子を装うて更にもう一歩先きの諛ひを示しました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...何気なさを装うて吹いてゐる口笛の音までが...
牧野信一 「裸虫抄」
...源氏は美しく装うた紫の姫君の姿を笑顔(えがお)でながめていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「美々しく装うことは兵士をして常に栄光名誉を思わしめ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...特別に御自身一流の無技巧の技巧を装うてお帰りになるのでしたが...
夢野久作 「奥様探偵術」
...夫は実は眠りを装うておりましたものらしく...
夢野久作 「暗黒公使」
...併(しか)し表面は飽くまでも平静を装うていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...大人物を装うものや負け惜しみの強い卑怯者...
夢野久作 「鼻の表現」
...くるしまぎれに狂人を装う気か?」「狂語と聞くなら...
吉川英治 「私本太平記」
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