...いささかの苦痛もないかのように装うてはいたものの...
上村松園 「眉の記」
...極東セメント商会の外交員を装う警部モロのところへ電話がかかってきた...
海野十三 「火薬船」
...(5)自殺を装う他殺(F・Mとも無し)★巨大なギムナジウムの建物の中に一人でこもって...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...【第一】犯人(または被害者)の人間に関するトリック(二二五)(A)一人二役(一三〇)犯人が被害者に化ける(四七)共犯者が被害者に化ける(四)犯人が被害者の一人を装う(六)犯人と被害者と全く同一人(九)犯人が嫌疑をかけたい第三者に化ける(二〇)犯人が架空の人物に化ける(一八)替玉――二人一役...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...陽気を装うて言った...
太宰治 「姥捨」
...その報いられなかった世界的な名手がことさらに平気を装うて薄笑いしながらビイルを舐(な)めているテエブルのすぐ隣りのテエブルに...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...別人を装うても訝(あや)しまれぬくらい...
谷崎潤一郎 「秘密」
...殊に僧形を装うていろ/\の事をやつてゐるが...
種田山頭火 「行乞記」
...意外にもその今日の現象が地球上の表面より散去するの一大奇事の必ず将来の歴史を装うものあらん...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...だが夫は政治的言論を全く抜きにしたような外見を装うことが上手であるというに過ぎぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...またしても妙に落着きを装うて歩きつづけるのであった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...表面、愚を装うて、内心睚眦(がいさい)の怨(うら)みまでも記憶していて、時を待って、極めて温柔に、しかして深刻に、その恨みをむくゆるというような執念が、この男に、微塵も存しているということを想像だもするものはないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はわざと冷淡を装うて...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...無関係を装う様子があまりにも見え透いていたので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...何気ない調子を装うて更にもう一歩先きの諛ひを示しました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...過失を装うて石の上にでも取り落す位ゐのことは第八にとつては朝飯前だ...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...寝入ったふうを装うていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼は内心に喜んでいながら恥じたらしく装う...
和辻哲郎 「転向」
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