...目さえさめていらっしゃると『おねえ様おねえ様』とお泣きなさるのがほんとうにおかわいそうです」葉子はそれだけ聞くともう感情がもろくなっていて胸が張り裂けるようだった...
有島武郎 「或る女」
...私が五体は裂けるようだ...
泉鏡花 「歌行燈」
...」メロスは胸の張り裂ける思いで...
太宰治 「走れメロス」
...その中では郁太郎が咽喉(のど)の裂けるばかりに泣いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...咽喉笛(のどぶえ)の裂けるほどに再び叫び立てたのは船頭です...
中里介山 「大菩薩峠」
...まもなく朝日岳と覚しき岩壁に当ると見えて、ひっこするような、裂けるような、又割れるような、荒らけてつの目立った叫びを放つや、つづいて物を、一挙に洗い去るか、大きな平ら手ではたきつけるかと思う急迫音が、どっと耳もとをかすめて――はるか黒部の谷間の方へと消えてゆく……...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...左を出すと口が耳元まで裂ける...
夏目漱石 「草枕」
...咽喉の裂けるような声で...
火野葦平 「花と龍」
...が文三無念で残念で口惜しくて、堪え切れぬ憤怒の気がカッとばかりに激昂(げっこう)したのをば無理無体に圧着(おしつ)けた為めに、発しこじれて内攻して胸中に磅(ほうはく)鬱積する、胸板が張裂ける、腸(はらわた)が断絶(ちぎ)れる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...時々人波が裂けると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...どうも胸が裂けるやうで」と...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...物の引裂ける音が起ったのを彼は聞いた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...美留女姫は胸が張り裂ける程驚き慌てて...
夢野久作 「白髪小僧」
...けれどもこの胸は張り裂けるようであったぞ...
夢野久作 「白髪小僧」
...筒の裂けるような音!とたんに...
吉川英治 「銀河まつり」
...船は裂けるような響きをたてた...
吉川英治 「私本太平記」
...雲も裂けるような...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――みりっと樹の小枝の裂ける響きと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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