...これだから本の上被い紙はやたらに棄てるわけに行かぬ...
石川欣一 「可愛い山」
...緑の雲を被いだ樣に...
石川啄木 「鳥影」
...髮を被いた顏が水に映つた...
石川啄木 「鳥影」
...耳が被い度(た)くなった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...おどおどした両の小さい眼を被いかくすほどもじゃもじゃ繁茂していやがる...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...昂奮時は火のごとく燃ゆ唇 下顎を被い...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...急に登子は恐ろしい物の怪にでも襲はれたやうに裳の袖を頭から引被いて了つた...
田山花袋 「道綱の母」
...その影が全部に被いかぶさってるからであろう...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...榛原(はいばら)の千代紙で上被いがしてあるのであった...
長谷川時雨 「紫式部」
...そこで髪の上からトルコの女のするやうに羅(うすもの)を一枚被いて残りの階を登つて行く...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...被いなく知らなければならないと思うのである...
宮本百合子 「新しい船出」
...フランネルのくすんだ水色で背被いも作ってやった...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...たとえ混乱を被いがたいにせよ...
宮本百合子 「折たく柴」
...袷の膝をよごさない為ほんの膝被いのつもり故...
宮本百合子 「毛の指環」
...戦争の進行につれて益々被いがたくなって来た国内の生活崩壊の事態を...
宮本百合子 「現実に立って」
...枕被いを剥いてそれに吐瀉物を拭き...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...看護婦の去ったあとで私は眼隠しの被いを取り除いた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...これらの被い得ない事実から...
柳宗悦 「工藝の道」
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