...袂(たもと)の中から紙屑をつぎつぎに取りだしてそれをそこの穴に捨てた...
有島武郎 「星座」
...あの辺(あたり)は地震比(ごろ)まで川獺の噂があって逢引橋の袂(たもと)にあった瓢屋(ひさごや)などに来る歌妓(げいしゃ)を恐れさした...
田中貢太郎 「築地の川獺」
...三吉は橋の袂(たもと)までいって...
徳永直 「白い道」
...天神橋の袂(たもと)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...橋の袂か四ツ辻に埋めたものである...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...袂(たもと)が觸(さは)つて一基の燭臺を横倒しにしてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...袖や袂ぐらいは強く触るだろうじゃないか」「なある――」「それに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...苦々しく袂(たもと)を拂つて立ち上がるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこで私は貧しい袂(たもと)を胸にあわせて古里にいた頃のあのなつかしい童心でコトコト松の幹を叩いてみました...
林芙美子 「新版 放浪記」
...正太はかけ寄りて袂を押へ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...どうしてあなたは斯んなものを袂になぞ入れて出掛けたの? と...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...新八はそれを袂(たもと)に入れ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しみじみと水を凝視むるうつくしき黒瞳にも寂しさの浮くかなしみの世界より来し人のごと会へばよく泣く君なりしかな頬を濡らし袂を濡らしわが膝を濡らす涙は秋雨に似るたはむれに涙の文と名づけたる君がかなしき狭斜消息かにかくにわれら酔へるが如くゐぬさいはひに酔ひ悲みに酔ひ解脱処女作「笛」を出品したその翌年の秋の展覧会には...
吉井勇 「酔狂録」
...袂(たもと)を分つ折に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...五条大橋の袂(たもと)を見直した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その袂(たもと)やその裾から...
吉川英治 「宮本武蔵」
...袂(たもと)の中から...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...東儀与力の袂(たもと)へ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索