...すると道ばたに女の子が一人(ひとり)メリンスの袂(たもと)を翻(ひるがへ)しながら...
芥川龍之介 「本所両国」
...これは両国の袂(たもと)の釣竿(つりざお)屋の金という人が拵(こし)らえて売る凧で...
淡島寒月 「凧の話」
...慌てて袂(たもと)を取って...
泉鏡花 「婦系図」
...東京の乞食ならば人の袂にすがって憐みを乞うことも出来ますが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ね」老婆は詩と繍鞋児を袂へ入れ荷物を持って帰ってきた...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...ガラツ八の懷から袂...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平常(ふだん)お父さんを怨んでゐる者はなかつたのか」「――」お喜代は袂に顏を埋めたまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長い紙の面を瞰下(みおろ)しながら右の肩を脱いでその袂(たもと)をうしろに刎ねた...
本庄陸男 「石狩川」
...「きのふ袂(たもと)にすがりし子の」と詠めり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...剥がしても塗っても青べかは青べかだでな」爺さんは私の手と袂(たもと)を...
山本周五郎 「青べか物語」
...橋の袂(たもと)の蒲鉾小舎(かまぼこごや)で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...官兵衛は袂のものを取り出して...
吉川英治 「黒田如水」
...逃げると思ったか新九郎は固く袂を掴んで...
吉川英治 「剣難女難」
...一書を袂(たもと)から取り出して...
吉川英治 「三国志」
...死ぬのが恐い」城太郎は戦慄しながら、武蔵の袂を、懸命にうしろへ引いて、「おらが可哀そうだと思って、逃げてよう、逃げてよう」「ああ、それをいわれるとおれも逃げたい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...武蔵の袂をとらえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...強いて大助と袂(たもと)をわかち...
吉川英治 「宮本武蔵」
...数寄屋橋の袂(たもと)まで来ると...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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