...おくみは少しく下目になつて袂の先をいぢつてゐる自分に気がついた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...お湯上りの袂から煙草を出しておつけになる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...その頃はよく有名なお茶屋などの猪口(ちょこ)とか銚子袴(ちょうしばかま)などを袂(たもと)になど忍ばせて行ったもの...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...袂(たもと)に寒き愛宕下(おたぎおろ)しに秋の哀れは一入(ひとしほ)深く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...妻なる女が袂をとらえてさめ/″\と泣きながら云いますのに...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...まだ国経に袂をとらえられたまゝ静止して...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
......
種田山頭火 「旅日記」
...橋の袂から斜に川の方へ十五六間突出て居る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...その袂の高い崖上に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...袂(たもと)から取出した矢文――小菊へ細々と認(したた)めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小娘らしく袂に顏を埋めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...袂の中から取出したのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女の吸殻七月×日丘の上に松の木が一本その松の木の下でじっと空を見ていた私です真蒼い空に老松の葉が針のように光っていましたあゝ何と云う生きる事のむつかしさ食べると云う事のむつかしさそこで私は貧しい袂を胸にあわせて古里に養われていた頃のあのなつかしい童心でコトコト松の幹を叩いてみました...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...……ときに、氷見役人はなんと言った、なん刻に氷振舞がおわったと言った」敏捷(はしっこ)そうなのが進みでて、「……氷室をしまって詰所へひきあげたら、ちょうどお時計が十字半を打ったと申しておりました」「十字半……よし、わかった」袂時計を出して見ながら、「この袂時計で、いま、ちょうど三字五分前...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あわてて圓朝が袂で口を押さえたとき...
正岡容 「小説 圓朝」
...左の袂の尖を撮んで...
森林太郎 「身上話」
...この深傷は大したことにはなるまい」袂落(たもとおと)しという懐中袋から...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...袂(たもと)を分(わか)つこととはなりぬ...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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