...頭取!」と妻は一文なしになりながらもなお未だ伯爵夫人の驕(おご)りと衿持(きんじ)とを失わず...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...半玉でも持ちさうな懐中化粧函だの半衿(はんえり)だのを...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...I子もそろ/\白狐衿捲を想ひ出す季節であつた...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...衿(えり)のあたりがほんのり白くなっている...
林芙美子 「泣虫小僧」
...衿(えり)から胸の中へ流れ込んで...
久生十蘭 「キャラコさん」
...衿に石竹の花をつけたタクシードを着たフレッドさんしか見ていないので...
久生十蘭 「だいこん」
...衿の中に坐つてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...例の馬車のやうな立衿から首をぬつともたげて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...浅黄の衿は白いくびにじゃれる蛇の様になよやかに巻きついて手は二の腕位まで香りを放ちそうに出て腰にまきついて居る緋縮緬のしごきが畳の上を這って居る...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...自分は羽織の衿を外套の襟のように立てて坐っている...
宮本百合子 「刻々」
...詰め衿を着た先生が帽子に手をあてたままだんだん小さくなって行くのを...
矢田津世子 「凍雲」
...第一に衿もとが開いてきていやなものです...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...衿(えり)には大きな字で「小石川養生所」と白く抜いてあった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...寝かしてあった赤子を抱きあげて衿をひろげた...
山本周五郎 「菊屋敷」
...衿が曲ってるわ」などと悠二郎の着物のどこかしら...
山本周五郎 「桑の木物語」
...はでな色合の美しい着物の衿へ手をかけ...
山本周五郎 「百足ちがい」
...それから新しいのを貼って下さいましな」「なにそのくらいのこと」かよはもっと衿をあけた...
山本周五郎 「風流太平記」
...片手で彼の着物の衿をつかんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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