...けれども二人が表門に達した時にはもう二人の怪しげな男の姿はどこにも見当らなかった...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...やっと表門の方から一台の自動車が這入(はい)って来た...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...表門から裏庭の方へ廻ったところであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...晴がましきこと云ふばかりもなき表門をばぐるりと廻りて...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...表門やその潜り扉...
豊島与志雄 「自由人」
...ジャン・ヴァルジャンはジルノルマン家を表門から訪れた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...初めて表門の四辺がザワついて...
中里介山 「大菩薩峠」
...表門にのみかく力を用うることは悪い意味における表裏といわねばならぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...私が表門から乗込んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表門の坂を俥なり馬車なりが下ってくると...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...表門(おもて)からではなく...
久生十蘭 「西林図」
...木華里(ムカリ)の看視兵へ)おい! 表門に石を積んで...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...非常に亢奮して表門から圧し寄せた彼等は...
牧野信一 「ゾイラス」
...城下町の北から東をかこむ丘陵(きゅうりょう)の一部で、表門から、迂曲(うきょく)した坂道を、約一町も登らなければならない...
山本周五郎 「竹柏記」
...吉良邸の表門を横に注意しながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...四十七名は東の表門組と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...いつかグルリと廻って表門の前に来ていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...だが――それがやがて、千坂家の表門へ、駕通しに、ずっと呑まれてしまったのを見届けると、「ああ、しまった!」と、何もかも、泡沫(ほうまつ)に帰したように、しばらく、茫然と、厳(いかめ)しい門扉(もんぴ)を眺(なが)めていた...
吉川英治 「無宿人国記」
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