...顔は生活気分を表象する...
種田山頭火 「其中日記」
...考えようではなかなか美しいと思われるのもあるがしかしいずれにしても実に瞬間的(エフェメラル)な存在を表象するようなものばかりである...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...一点が甲運動をなし同時に甲の占めている相対空間が乙運動と方向が相反し且つ乙運動と同等な丙運動をなすと表象することによって...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...「表象する」などという学術語を使うために...
戸坂潤 「思想としての文学」
...次に吾々は空間内の対象なくしても空間を表象することは出来るが空間がないということは表象出来ない...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...即ち一点から次第次第に凡ゆる部分を生産しそれによって始めて線という直観を示すことによらなければそれを表象することは出来ない」...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...ロッツェがリーマンの有限なる空間を批難してそれは空間とその内と形像とを混同したものであると云うのであるが(Metaphysik)空間を空間内の形象と表象することはリーマン空間をそのまま表象したものではなくして表象のこの約束によって表象したまでである...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...量というような「純粋な規定」はアポステリオリに常に経験に於て与えられうるものをアプリオリに表象するが故に...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...「猫又」の一語が表象するシニックな感じが...
南部修太郎 「猫又先生」
...丁度「鬼」といふ字が表象する所の悽愴感を――感じてゐた...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...句の表象する言葉の外周に書きこまれている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...それは感情の意味を表象するのであるから...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その語の表象する気分の週期的反響によつて構成させてゐる...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...なぜなら私がそれについて表象する性質は悉(ことごと)く此(この)背景を俟(ま)って可能なのであって背景そのものではないから...
三木清 「人生論ノート」
...二つの音が相繼續すると判斷される場合に我々の表象する音と音との關係は...
三木清 「認識論」
...ただ一は他が明晰に判明に所有するものを闇冥に混雜に表象するといふだけである...
三木清 「認識論」
...それを普通になされるやうに唯ひとむきなる直線的進行として表象することが如何に誤つてゐるかは明白である...
三木清 「歴史哲學」
...これらの表象における意識の同一性そのものを表象することが可能である...
三木清 「論理と直觀」
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