...和作はその眼に表情のないのに驚いた...
犬養健 「朧夜」
...このおれ以外の如何(いか)なる名医にかけても、あの怪我人(けがにん)はあと一時間と生命がもたないね」机博士は、表情のない顔で、自信のあることばをいい切った...
海野十三 「少年探偵長」
...あまりの表情のない石と鉄と機械の生活――自然はすべて西洋の世界を見すてている――なんかと...
谷譲次 「踊る地平線」
...折々表情のない目を挙(あ)げて...
徳田秋声 「新世帯」
...あまり表情のない病身らしい様子だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...表情のない能面みたいなその顔が...
豊島与志雄 「絶縁体」
...もし表情のない寫生其まゝを見せれば寫生としてだけの價値は保たれやうけれど...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...首をふりかけた表情のない動物が...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の方が昔と違った表情のない盲目(めくら)になってしまって...
夏目漱石 「行人」
...表情のない眼でぢつとソオルの方を見守りながら...
南部修太郎 「死の接吻」
...細い眼、表情のない顏、白髮混りのまばらな頬髯が寂しい殉教者らしい感じを與へた...
「修道院の秋」
...表情のない顔をしていた...
林芙美子 「田舎がえり」
...随つて自から表情のない顔面なのである...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...完全に表情のない顔になっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...表情のない表情でしか自分の気持をあらわせなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...表情のない仮面のような顔であった...
本庄陸男 「石狩川」
...その表情のない顔を...
山川方夫 「菊」
...能面のように表情のない顔つきの人だったが...
山本周五郎 「花も刀も」
便利!手書き漢字入力検索