...何事にも無頓着(むとんじゃく)ですからな」「それじゃその教員がいたんですね?」「ええ」「それじゃまだ知らずにおりましたのですか」「内々は知ってるでしょうけれど……表向きはまだ発表してないんです...
田山花袋 「田舎教師」
...表向きはまだ聞かされてない振りをしてはいますがね...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...表向きは自分の家中ということにしておくけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の妻は表向きは一人だが...
中島敦 「南島譚」
...表向きは二十二万町歩と出ているのであるから...
中谷宇吉郎 「琵琶湖の水」
...尤も表向きは郷里の先輩を頼んで...
夏目漱石 「それから」
...表向きは上品な文句が並べてあるが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...表向きはその手柄に酬いられませんでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はもう表向きは遠島になった蔭の人間で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうだったろう?」「ハイ」「正直に言って貰いたいが――」「表向きは何にもございませんでしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表向きは主人と奉公人ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表向きは濟ましかへるがならひの僧侶など...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...彼は表向きは私に勝利をゆずりながらも...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...表向きは物静かな紳士として夜会服に身を包み...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...表向きはどこまでもお父様のお世話をする人としてお迎えするのだから...
矢田津世子 「父」
...表向きは厄介払いということになっていますが...
山本周五郎 「思い違い物語」
...表向きは立派な為替問屋と質屋になっておりまするが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...表向きは、当然、義絶も同様――あれ以来、父と呼ばせないと、憤(いきどお)っている体(てい)にしてあるむすめではあるが――時政の愛には、変りなかった...
吉川英治 「源頼朝」
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