...「拙者事(せっしゃこと)は江川太郎左衛門の配下にて吉田竜太郎と申す未熟者(みじゅくもの)」竜之助は我が名を表向き名乗る場合には...
中里介山 「大菩薩峠」
...表向きにされた時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...あまり表向きに出てこない点である...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...表向きでは愛国を口にし...
新渡戸稲造 「自警録」
...「皆目(かいもく)解らねえ」「囲いの戸は開いていたのか」「大一番の海老錠(えびじょう)がおりていたそうですよ」「鍵は?」「旦那の三郎兵衛が持っていたはずだが、それは表向きで、懲(こ)らしめのための窮命(きゅうめい)だから、鍵はツイ廊下の柱にブラ下げてあるそうですよ」「その鍵はあるだろうな」「ないから不思議で」「なるほどそいつは面白そうだ」「だから親分を誘い出しに来たんですよ」「恩に着せる気なら俺は帰るぜ」「あっ、あやまった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ブラブラ病ひでお引籠りと言ふのは世間體の表向きで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...表向き切支丹宗徒はなかったわけですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なんて、これは表向きさ、煙草のみは意地が汚ねえ、一服つけて行こう...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...表向きに威張つた喧嘩は出来もしないで...
樋口一葉 「たけくらべ」
...表向きの関心はオーストリア大使館員との会話だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...表向き休日にして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...少々表向きには言へない訣があると言つて居られました...
室生犀星 「帆の世界」
...作者とは表向きで...
山本周五郎 「新潮記」
...血統(ちすじ)が絶えそうになったが綾姫の隠し子があったのを探し出して表向きを都合よくして...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...表向きは立派な為替問屋と質屋になっておりまするが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...まったくは佐々木道誉の計らいによることでございました」「道誉の?」「病のため、兵庫から御陣を離れて、近江へ帰るのだと申す道誉が、途中、双(ならび)ヶ岡(おか)の法師へ使いをよこしましたので、さっそく彼の屯(たむろ)へまいって行き会いましたような次第で」「む」「聞けば、病とは表向き、云々(しかじか)で帰国するとのうちあけばなし...
吉川英治 「私本太平記」
...表向き、狭斜(きょうしゃ)の巷(ちまた)で、幇間(ほうかん)(たいこもち)めかした業をやっていたが、喧嘩出入りが好きで、一面、男だて肌な風もある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...表向き、徳川幕府は「礼ヲ以テ之ヲ遇ス」などと恩に着せたが、喜連川一万石も、じつのところ、実収高は五千石にみたなかった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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