...急いで衣服を身につけた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...昨日まで着てゐた衣服(きもの)は手早く疊んで...
石川啄木 「天鵞絨」
...黒衣僧兵のかばね...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...こちらの衣桁にかけて置く...
鈴木三重吉 「桑の実」
...懶(たゆ)げに被衣(かづき)引延(ひきは)へて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...およそ雨を凌げる衣類や蚊帳までかぶっているうちに...
鷹野つぎ 「窓」
...立烏帽子に狩衣(かりぎぬ)着たる一個の侍(さむらひ)の此方に背を向けたるが...
高山樗牛 「瀧口入道」
...破れた衣類を着た子供や女が手と言わず足と言わず体中を繃帯して筵の上にごろごろしていた...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...其風俗不淫、男子皆露、以木緜招頭、其衣横幅、但結束相連、略無縫、婦人被髮屈、作衣如單被、穿其中央、貫頭衣之...
陳壽 「魏志倭人傳」
...衣食の途(みち)を授けて下さいと泣(なき)つきに行くのだと意識するよりも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...木之助はよそ行きの晴衣(はれぎ)にやはり袴をはき...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...九如是我聞(によぜがもん)、佛説阿彌陀經(ぶつせつあみだきやう)、聲は松風に和(くわ)して心のちりも吹拂はるべき御寺樣の庫裏(くり)より生魚あぶる烟なびきて、卵塔場(らんたふば)に嬰兒(やゝ)の襁褓(むつき)ほしたるなど、お宗旨によりて構ひなき事なれども、法師を木のはしと心得たる目よりは、そゞろに腥(なまぐさ)く覺ゆるぞかし、龍華寺の大和尚身代と共に肥へ太りたる腹なり如何にも美事に、色つやの好きこと如何なる賞め言葉を參らせたらばよかるべき、櫻色にもあらず、緋桃の花でもなし、剃りたてたる頭より顏より首筋にいたるまで銅色(あかゞねいろ)の照りに一點のにごりも無く、白髮もまじる太き眉をあげて心まかせの大笑ひなさるゝ時は、本堂の如來さま驚きて臺座より轉(まろ)び落給はんかと危ぶまるゝやうなり、御新造はいまだ四十の上を幾らも越さで、色白に髮の毛薄く、丸髷も小さく結ひて見ぐるしからぬまでの人がら、參詣人へも愛想よく門前の花屋が口惡る嬶(かゝ)も兎角の蔭口を言はぬを見れば、着ふるしの裕衣、總菜のお殘りなどおのづからの御恩も蒙るなるべし、もとは檀家の一人成しが早くに良人を失なひて寄る邊なき身の暫時こゝにお針やとひ同樣、口さへ濡らさせて下さらばとて洗ひ濯(そゝ)ぎよりはじめてお菜ごしらへは素よりの事、墓場の掃除に男衆の手を助くるまで働けば、和尚さま經濟より割出しての御ふ憫かゝり、年は二十から違うて見ともなき事は女も心得ながら、行き處なき身なれば結句よき死場處と人目を恥ぢぬやうに成りけり、にが/\しき事なれども女の心だて惡るからねば檀家の者も左のみは咎めず、總領の花といふを懷胎(まうけ)し頃、檀家の中にも世話好きの名ある坂本の油屋が隱居さま仲人といふも異な物なれど進めたてゝ表向きのものにしける、信如も此人の腹より生れて男女二人の同胞(きやうだい)、一人は如法(によほふ)の變屈ものにて一日部屋の中にまぢ/\と陰氣らしき生(むま)れなれど、姉のお花は皮薄の二重腮(あご)かわゆらしく出來たる子なれば、美人といふにはあらねども年頃といひ人の評判もよく、素人にして捨てゝ置くは惜しい物の中に加へぬ、さりとてお寺の娘に左り褄、お釋迦が三味ひく世は知らず人の聞え少しは憚かられて、田町の通りに葉茶屋の店を奇麗にしつらへ、帳場格子のうちに此娘(こ)を据へて愛敬を賣らすれば、科りの目は兎に角勘定しらずの若い者など、何がなしに寄つて大方毎夜十二時を聞くまで店に客のかげ絶えたる事なし、いそがしきは、大和尚、貸金の取たて、店への見廻り、法用のあれこれ、月の幾日(いくか)は説教日の定めもあり帳面くるやら經よむやら斯くては身躰のつゞき難しと夕暮れの縁先に花むしろを敷かせ、片肌ぬぎに團扇づかひしながら大盃に泡盛をなみなみと注がせて、さかなは好物の蒲燒を表町のむさし屋へあらい處をとの誂へ、承りてゆく使ひ番は信如の役なるに、其嫌やなること骨にしみて、路を歩くにも上を見し事なく、筋向ふの筆やに子供づれの聲を聞けば我が事を誹らるゝかと情なく、そしらぬ顏に鰻屋の門を過ぎては四邊(あたり)に人目の隙をうかゞひ、立戻つて駈け入る時の心地、我身限つて腥きものは食べまじと思ひぬ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...去年(きよねん)の盆(ぼん)には揃(そろ)ひの浴衣(ゆかた)をこしらへて二人(ふたり)一處(しよ)に藏前(くらまへ)へ參詣(さんけい)したる事(こと)なんど思(おも)ふともなく胸(むね)へうかびて...
樋口一葉 「にごりえ」
...さては揃いのだんだら浴衣...
正岡容 「寄席行燈」
...ありがとうとその法衣(ころも)を返したから...
水野葉舟 「取り交ぜて」
...脱がした良人の狩衣から...
吉川英治 「私本太平記」
...法衣(ころも)こそつけていないが...
吉川英治 「私本太平記」
...右手で軽く天衣をつまんでいる柔らかい態度も...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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