...彼の心には人生を滑稽化する喜劇作者の衝動が根を張つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...俺には俺自身を見窮めむとする衝動が不可抗に働いて居るからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...單に民族を愛する自然的衝動が存在すると云ふ事實によつては何の答へられるところもない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そして嘔(は)きそうな衝動が胸から咽喉(のど)を走った...
梅崎春生 「日の果て」
...板で叩きのめすような衝動が清家博士の身体を襲った...
海野十三 「空気男」
...頸動脈(けいどうみゃく)へドキンと大きい衝動が伝(つたわ)った...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...うつぼつとして句作衝動が沸き立つ...
種田山頭火 「其中日記」
...ただ時々、憤怒の衝動が、過度の苦悩が、そして彼の魂のすみずみまでを輝(て)らす青白い急速な光が、彼自身からかまたは外からか突然に襲ってきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...踊り跳ねたいような衝動が...
中島敦 「プウルの傍で」
...滅茶苦茶に暴れ出したい衝動が蠢いた...
原民喜 「雲雀病院」
...心臓をひと掴みにされたような衝動がきた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...私が聽いた彼の雄辯は――人にも同じくさう感じられたかどうかは知らないが――泥に塗(まみ)れた失意の沈渣(おり)の溜つた深み――滿たされない憧憬と不安な野心の惱ましい衝動が動いてゐる深みから湧き出したものゝやうに思はれたからである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...情欲衝動が余り来ないからであると考えるならば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...いちどその衝動が起こると...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...熱病のように何か大きな声でものを口走りたいような衝動がじっともの静かに立っている彼の内部を烈しく駈けまわっているのだった...
吉川英治 「親鸞」
...苦しみを取り除こうとする衝動がいかに強く起こったにしても...
和辻哲郎 「享楽人」
...今や東方への衝動がこの実証の試みとなって現われて来た...
和辻哲郎 「鎖国」
...そこにこの沸騰せる生命を永遠の形において表現しようとする衝動が伴なう...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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