...この説(せつ)を敷衍(ふえん)して日本美術史(にほんびじゆつし)の劈頭(へきとう)にこれを高唱(かうしやう)したものであるが今日(こんにち)においても...
伊東忠太 「日本建築の發達と地震」
...『釈日本紀』に曰く、常陸国風土記曰、夫常陸国者、堺是広大、地亦緬、土壌沃墳、原野肥衍、墾発之処、山海之利、人々自得、家々足饒、設有二身労耕耘、力竭紡蚕者一、立可レ取レ富豊一、自然応レ免二貧窮一、況復求レ塩魚味一、左山右レ海植レ桑種レ麻、後レ野前レ原、所謂水陸之府蔵、物産之膏腴、古人云レ、常世之国一、蓋疑此地、今浦島説話とタンホイゼル説話とを比較するに、楽土の淹留と云う点に於て、楽土の神女が、淹留者に懸想して、彼を迎えしと云う点に於て、数年間留まりしと云う点に於て、及び後に至りて往事を回想して、故郷を懐うの情起りしと云う点に於て、両個の説話は全く一致す...
高木敏雄 「比較神話学」
...あの主意をあなたが布衍(ふえん)して...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...と傍で衍奥さんがせき立てる...
太宰治 「惜別」
...この仮説を敷衍(ふえん)すれば...
寺田寅彦 「備忘録」
...その「俳諧」の中に含まれた「さび」や「しおり」を白日の明るみに引きずり出してすみからすみまで注釈し敷衍(ふえん)することは曲斎的なるドイツ人の仕事であったのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...又その敷衍と平易化とでもあることを願っている...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...夫を敷衍して見たいという心持ちからでもあるのだ)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...今はある何かの観念を過度に敷衍(ふえん)すべき折りではない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...からこの三四頁を口から出まかせに敷衍(ふえん)して進行して行きます...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...どこをどっちへ敷衍するか分らない...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...盛んに他の草木の上に繁衍し...
牧野富太郎 「植物記」
...それより敷衍(ふえん)して婦女精力計という精細な器械を作り出さん事を国家の大事として述べて置く...
南方熊楠 「十二支考」
...周錫本(しうせきさんぼん)と孫星衍本(そんせいえんぼん)との二種がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...小説化してそれを敷衍(ふえん)することにはぼくは氣乘りがしない...
吉川英治 「折々の記」
...どうしても一度は大衆の知識と興味に廣く敷衍してからでないと...
吉川英治 「折々の記」
...あれもわずかな史拠を敷衍(ふえん)したのでつまりは私の正成観が主なのである...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...それを更に敷衍する必要はなかろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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