...それを叩いて行く水兵に追ひついた...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...そこでやはり河原蓬(かわらよもぎ)の中を流れて行く水の面(おもて)を眺めたまま...
芥川龍之介 「邪宗門」
......
淺井洌 「信濃國」
...長い綱を引きずって行く水夫が帽子の落ちそうになるのを右の手でささえながら...
有島武郎 「或る女」
...さら/\と行く水の中へ...
泉鏡花 「遺稿」
...行く水の流、咲く花の凋落(ちょうらく)、この自然の底に蟠(わだかま)れる抵抗すべからざる力に触れては、人間ほど儚(はかな)い情(なさけ)ないものはない...
田山花袋 「蒲団」
...漣織りて月照りて夕暮たのしいさゝ川流れ/\て行く水に秋も近しと眺むればいかに惜まむあゝ夏よ...
土井晩翠 「天地有情」
...小さいながら行く水の面影に...
中里介山 「大菩薩峠」
...心を行く水の如くにして世を暮しぬる一人の盲人ありけりと思召(おぼしめ)せ……」「なるほど」「ある時...
中里介山 「大菩薩峠」
...磯原の濱を行く青田行く水はながれて磯原の濱晝顔の磯に消入りぬ平潟の入江の松魚船が幾十艘となく泊つて居るので陸へのぼつた水夫共が代るがはる船に向つて怒鳴る...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...宇陀(うだ)の法師に芭蕉の説なりとて掲げたるを見るに春風や麦の中行く水の音 木導師説に云う...
正岡子規 「俳人蕪村」
...『宇陀(うだ)の法師』に芭蕉の説なりとて掲げたるを見るに春風や麦の中行く水の音木導(もくどう)師説(せつ)云...
正岡子規 「俳人蕪村」
...ほととぎす鳴くやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな吉野川いは波高く行く水のはやくぞ人を思ひそめてし春日野(かすがぬ)の雪間を分けて生(お)ひ出づる草のはつかに見えし君かもの如きを初(はじめ)として...
正岡子規 「人々に答ふ」
...朗な日光にも刻々に變化して行く水蒸氣(ガス)の美觀にも少しも心を動かされなかツた...
三島霜川 「解剖室」
...右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鯉がぐるりと尾で泥を濁しあげては廻游して行く水面に...
横光利一 「旅愁」
...行く水は手をもて招いても振り向かない...
吉川英治 「三国志」
...行く水のごとく処理してしまうというような習性は――習性というよりは...
吉川英治 「新書太閤記」
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