...娘が行きずりに「ろおれんぞ」の足を踏んだと云ひ出すものもあれば...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...隨分非文明な男だと思ひ乍ら行きずりに過ぎようとすると...
石川啄木 「雲は天才である」
...行きずりの男に過ぎない筈であった...
梅崎春生 「桜島」
...行きずりに遇(あ)う町の女...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...行きずりに二銭下さつた...
種田山頭火 「行乞記」
...道ゆく人々がみんな行きずりに...
種田山頭火 「行乞記」
...ほんの行きずりのこの取巻屋をさえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほんの二三度行きずりに顔を見ただけ...
野村胡堂 「江戸の火術」
...行きずりの狂言者と思われたらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...道の行きずりにこんな話を聞いたならば...
林芙美子 「平凡な女」
...行きずりに垣根越しにあなたの家のなかへ投げこんだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...行きずりに逢った女性を道連れにするつもりだったのか? それならそれで納得がいくのだが...
久生十蘭 「肌色の月」
...私の方へ眼を向けないからと云つて――彼の注意がすつかりあの立派な貴婦人に占められたからと云つて――行きずりに衣裳の端が...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...買われました」「でも行きずりの老紳士に...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...行きずりに会った男といっても...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...そうでなければ往来の行きずりの話とか...
柳田国男 「故郷七十年」
...行きずりの御縁と見すごし...
吉川英治 「私本太平記」
...行きずりの眼でたどってさえ...
吉川英治 「随筆 新平家」
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